社会や他者への貢献による自己実現とは?
個人が自身の能力や資源を活用して社会や他者のために活動することで、自己の可能性を最大限に発揮し、人生の意義や充実感を見出すことを重要視する生活者が増加する。
今後、AIやロボティクスの発展により、従来の仕事の多くが自動化される中で、人間ならではの共感や創造性を活かした社会貢献活動が、個人の存在意義を示す重要な場となる可能性がある。個人の能力や興味と社会のニーズをリアルタイムでマッチングする仕組みなども整備・活用されると予想される。
予想される未来社会の変化
- 利他的な活動による達成感がもたらす、幸福・充実感が高いことが広く理解され、社会・個人に貢献する機会やソリューションが広く受け入れられる
- 企業において、社会貢献をより一層意識した経営が求められる
トレンド
・「World Giving Index 2018」世界寄付指数によると、日本の順位は世界144か国中128位と、その異例の低さが際立っている
日本は人への手助けで142位、お金の寄付で99位、ボランティア活動で56位の総合128位となっており、G7の中でも最下位という結果だ
・しかし、2011年の東日本大震災を契機に、寄付や人助け、ボランティアへの意識に変化が見られたとの報告もある
近年、クラウドファンディングに対する関心も高まっており、今後も変化していく可能性が高い
・社会の様々な組織や集団の基盤にある、信頼、規範、人と人との互酬性を「ソーシャルキャピタル」と呼ぶ
組織や集団としての結束力が強いと、思いやりや支え合い行為の活発化につながるなど、社会問題の解決につながるとして、近年欧米を中心に注目を集めている
・宗教はソーシャルキャピタルの典型であり、信仰が基盤となり、人とのつながりや助け合いの源泉となっている
・多くのボランティア組織は、キリスト教の隣人愛思想を源流として発足している現実がある
仏教においても、貧窮者や病人を救護する施設を聖徳太子が建立するなど、宗教の教えや信念が原点となっている事例が多く見られる
・アメリカの心理学者マズローは、人間の欲求を「マズローの五段階欲求」とピラミッドで定義した
マズローにとっての自己実現は「至高体験」(自我超越、自己忘却、無我、利害や二分法の超越、愛、精神、真善美)が重要であり、次のように述べている
「世間や人間を完全に愛すべきものとして、咎めず、思いやりを持ち、また、たぶん楽しみをもって受け入れるという意味で、神性がみられるのである」
このように、利他性が重要なファクターとして語られており、自己実現のためには利他性が欠かせない要素として定義される
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