c-56 : コモンズ(専有から共有へ)

予想される社会的な影響

•多様化する価値観に応じて多くのコモンズが生まれ、地域コミュニティもそれに応じて多様化する

•様々な分野・場面において人々やコミュニティ、地域、機関などあらゆるセクターで協働が生まれ、共創が起こり、イノベーションにつながる

背景・理由・事例

•コモンズは古くからの概念であり、草原、森林、牧草地などの共同利用地(commons)が由来となっている。現代では単なるそうした共同で所有する環境だけではなく、無形有形問わず様々な要素を指し、共同管理の体制や共同組織などを含めたコミュニティとセットで捉えられる。多くの場合、資源利用とそのルールを伴っている。

•コモンズの概念におけるポイントは3つある。①私有・専有を超えた価値を持つということ。個別では持ち得ない要素を共用することで生活の質を高め、街の価値を高めることができる。②受益するだけではないということ。価値を享受するためには、労力・経済等の負担も必要となる。③主体的な選択に基づくということ。主体的な意思により関わることが基本となる。自由な出入りが可能であり、主体性が関わる楽しさを感じる源泉ともなる。行政サービスのような結果平等は追求されない。

•近年はシェアリングサービスが広がる中で、コモンズの対象が有形に限らず、データやサービスなど無形の対象にまで広がっている。

•Okatteにしおぎは杉並区西荻窪に所在する施設で、近隣の会員住民が自由に料理をして食べることができ、食に関する小商いのスタートアップの場にもなる共有型の「自宅の外に持つ、自分たちのもう一つのキッチン、リビング」がコンセプト。コーディネーターが1名いる以外は、会員の自主的な管理運営が行われている。デジタル上のグループウェアを用いたコミュニケーションの他、会員が自主的に掃除部、手芸部(布巾の作成)、図書部(本棚の整備)、園芸部(庭の手入れ)といった部が結成され共有スペースが維持され、出入り自由のゆるいつながりのグループとなっている。

出典:Okatte ホームページ

 

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