とは?
フェーズフリーとは、平常時と非常時の境界をなくし、両方の状況で活用できる製品、サービス、インフラ、システムを設計・構築する概念であり、災害への備えと日常の利便性の両立を目指すアプローチのことを指す。災害の多い日本では特に注目されており、防災の負担軽減と日常生活の質向上を同時に実現することができる。フェーズフリー認証商品の普及や、インフラ設計への概念導入が進んでいる。
予想される未来社会の変化
- 都市・施設・機器等多様な領域でフェーズフリー概念が取り入れられる
- 普段から使用しているものを災害時にも役立てることで、収納・メンテナンス・二重投資の減少、災害時の活用しやすさ等のメリットが期待されている
トレンド
・2011年の東日本大震災による未曽有の災害により、人々の防災意識は高まった。日本は地震を筆頭に災害が多い国で知られ、防災用品の備蓄などの対策は必要ではあるものの、コストの問題や防災備品の保管スペースにも限りがあり、課題や負担が大きい
・フェーズフリーは平常時(いつも)と非常時(もしも)のフェーズがつながった状態。①防災品が平常時でも使える②日用品が非常時でも活用できる、の2つのアプローチから、平常時と非常時の両方の価値を高める考え
・一般社団法人フェーズフリー協会が発足し、フェーズフリーの概念を満たす商品やサービスに対する認証制度が2019年から始まっている
・アスクル株式会社はフェーズフリーの概念に賛同し、フェーズフリー認証の商品を多く提供している(計量カップになる紙コップ、耐水耐冷付箋紙、懐中電灯になるデスクライトなど)
・インフラ領域においても、フェーズフリーの概念が取り入れられている。
災害時の防災拠点として活用できる公園の整備や、非常用電源として活用できる電動バス等、東京都豊島区で実装された。
また、今治市クリーンセンターはフェーズフリーの概念を取り入れた全国初のごみ処理施設となっている。平常時は「市民が集い、地域のつながりを活性化させる場」として活用し、非常時には「市民が安心して避難できる強靭な避難場所」として、いつもともしもの両方で地域に貢献できる施設となっている。
今後のインフラにおいては、これらの事例を元に、フェーズフリーの概念が広く取り入れられていくと考えられる
・徳島県鳴門市の小学校では、所在地が津波の浸水想定区域になっていることから、体育の授業ではがれきを避ける、高いところからジャンプするなど、安全に避難できるスキルを身に着ける工夫を行っているという
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