c-14 : 都市の状況のリアルタイム最適化

都市の状況のリアルタイム最適化とは?

都市の状況のリアルタイム最適化は、都市のスマート化(都市OS)とも呼ばれ、ICTを活用して都市機能を効率的に管理・運用する取り組みである。

エネルギー、交通、医療、教育などの都市サービスを統合的に制御し、データ駆使型の都市運営を実現する。

IoTセンターネットワークにより収集された膨大なデータをAIが分析し、リアルタイムで都市の状況を把握・最適化する。

これにより、省エネルギー化、交通渋滞の緩和、防災能力の向上などが期待される。

トレンド

メタバースプラットフォーム「cluster」によるデジタルツインを活用したリアルとデジタルの双方向での最適化

出典:PR TIMES『クラスター、デジタルツイン・フィジカルAI・調査の3領域に本格参入。国際スタートアップカンファレンスTakeOffTokyo2026にて「事業開発本部」新設を発表』

クラスターはメタバースプラットフォーム「cluster」を通じ、PC・スマートフォン・VRゴーグルなど端末を問わず最大10万人が同じ空間に同時に入れるインフラを構築しており、空間内で人がどう行動したかのデータを取得・分析する技術も蓄積している。この「人と空間をつなぐ」技術資産を産業領域に展開することで、デジタルツインに「人」の要素を加え、リアルとデジタルの双方向でデータと体験が循環する構想を発表。

建設・製造・モビリティなどの産業界では、建物や街、製品を3Dデータで再現する動きが急速に広がっているものの、その3Dデータを実際に見て使えるのは専用ソフトを扱える専門家に限られており、建物のオーナーや現場の担当者、住民が気軽に触れる状態にはなっていない。

デジタルツインの導入も進んでいるが、現状は「空間を3Dで見る」ところに留まりがち。データが大きく処理が重いため、その空間に複数の人が同時に入って歩いたり、議論したりすることは技術的に難しい状況。

デジタルツインとして再現された建物や街に人が入って実際に歩き回れるようになれば、「どこに人が集まるか」「どの経路を選ぶか」「何に足を止めるか」がデータとして見えてくる。さらに、同じ空間に複数の人が同時に入れば、遠隔地からの設計レビュー、現場を再現した訓練、関係者間の合意形成といった、人が集まることで初めて成立する活動がデジタル上で可能になる。こうしたデータと人の活動の両方を現実側に返していくことで、建物や街、モビリティ・製造業の設計・運営をより良くしていくことが可能になる。

スマートシティ竹芝

出典:PR TIMES「竹芝地区でリアルタイムデータを活用した 地域課題解決への取り組みを本格展開」

一般社団法人竹芝エリアマネジメント、東急不動産、ソフトバンクは、竹芝地区(東京都港区)でスマートシティのプロジェクト「Smart City Takeshiba(スマートシティ竹芝)」を推進している。

竹芝地区で収集した人流データや訪問者の属性データ、道路状況、交通状況、水位などのデータをリアルタイムでさまざまな事業者が活用できるデータ流通プラットフォームや、先端技術を活用したサービスなどを竹芝地区に実装することで、回遊性の向上や混雑の緩和、防災の強化などを実現し、竹芝および周辺地区の課題を解決に向けて取り組むとともに、分野を横断したサービスによって、エリアの経済的発展と付加価値の創出を目指している。

2025年5月からは防災力の強化や来街者の回遊性向上などに向け、データ活用を本格始動。

竹芝地区の来街者向けに、防災情報をリアルタイムに提供する機能や、TFHD digitalが提供するデジタルエリアマネジメントサービス「Machi-wai(マチワイ)」と連動し天候や交通機関の遅延情報に合わせてエリア内の店舗などで利用できる電子クーポンを配布するシステムなどを実装し約4,500人に配信したほか、ビジネスでの来街者への宿泊施設やワークスペースなどの情報を確認できるデジタルマップや、地域関係者などに向けた街のデータを統合的に可視化できるシステムなどを実装。

urbanOS

出典:Diplomatic Council “urbanOS: The World’s First Operating System for Smart Cities”

出典:Smart Infrastructure MAGAZINE “urbanOS: The world’s first operating system for smart cities”

出典:detaMatters 公式サイト

ドイツのケルンを拠点とするスタートアップ企業dataMatters(アーヘン工科大学のスピンオフ企業)は、スマートシティ向けの世界初のオペレーティングシステム「urbanOS」を発表。

この自治体向けオペレーティングシステムは、コンピューターやスマートフォンのオペレーティングシステムと同様の機能を持つが、交通管理や廃棄物処理からエネルギー供給、公共安全に至るまで、都市インフラの「スマート化」に最適化されている。拡張性が高く、小規模な町から中規模都市、さらには大都市圏まで、都市、地区、自治体のニーズに対応可能。

iPhoneのiOSのような最新のスマートフォンOSと同様に、urbanOSにもアプリストアが搭載されており、自治体や民間企業はurbanOSアプリストアで自社のサービスを提供でき、サービスプロバイダーは有料でそれらのサービスを利用できる。

様々なセンサーが都市で何が起こっているかを捉え、その情報は都市データ空間に転送され、AIを用いて処理。その結果はurbanCockpitに表示され、意思決定者は都市で実際に何が起こっているかをリアルタイムで把握することが可能。また、現在の状況を表示するだけでなく、将来の状況についても詳細な予測を提供。

urbanOSは、フェデレーテッドAI(フェデレーテッドラーニング)を最初から統合した世界初のオペレーティングシステムであり、機密データを一元化することなく、多数のデバイスでAIモデルがトレーニングされる。また、エッジコンピューティングを活用しているため、収集時にデータの匿名性が確保されている。

urbanOSは、ドイツだけでなくベルギー、フランス、オランダを含む20以上の都市で初期導入段階にあり、今後は個々の都市をよりスマートにするだけでなく、スマートシティ同士を連携させることを目標としている。

 

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