c-16 : 株式至上主義からの脱却

株式至上主義からの脱却とは?

企業活動において、短期的な利益最大化や株主還元だけでなく、従業員、顧客、地域社会、環境など、多様なステークホルダーへの価値提供がより重視されるようになっていく。ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大に見られるように、財務以外の価値や指標への注目が世界的潮流となる。この変化により、企業の長期的成長戦略や社会との関係性を再定義し、より持続可能で包括的な経済システムの構築が進む。

2019年、米国の経営者団体ビジネス・ラウンド・テーブルは、従来の「株主市場主義」の方針を見直し、株主だけでなくすべてのステークホルダーを重視する方針に転換すると発表した。このような転換の背景には、労働者の約3分の1を占めるミレニアル世代が、企業に利益の最大化だけでなく、持続可能性や社会的意義の実現を求める人が多いことなどが考えられる。

予想される未来社会の変化

  1. 人類の持続可能性や幸福感等いった新たな社会的な規範が注目される中、より多様な価値基準が検討され、その試行が行われる

トレンド

・企業に対し、利益を最大化して株主に還元するだけでなく、長期的な視点で様々なステークホルダーに価値を提供し続けることが求められるようになり、株式市場主義からの脱却が進んでいる

・2019年、米国のビジネス・ラウンド・テーブル(CEOなどが所属する団体)は、1997年以来続いた「株主市場主義」の方針を見直し、顧客、従業員、サプライヤー、地域コミュニティなどすべてのステークホルダーを重視する方針に転換することを発表した。
方針転換の背景には、労働者の約3分の1を占めるミレニアル世代が、企業に利益の最大化だけでなく、持続可能性や社会的意義の実現を求める人が多いことなどが考えられる

・企業の環境(Environment)や社会課題への取り組み(Social)や、企業統治(Governance)も考慮して投資する「ESG投資」も世界で広がりを見せている

・非財務情報であるESGが可視化されることにより、ESGへの取り組みが評価されるようになるだろう

出典:外務省

・米企業の調査によれば、ESG評価の高い株式銘柄は、TOPIXよりもリターンが大きいという結果が出ている

・企業にとって、株主との関係性だけでなく、取引先・地域社会などステークホルダー全てとの関わりが、重要視されるようになってきている

・新型コロナウイルスのパンデミックを機に、経済の復興を環境重視で進める「グリーン・リカバリー」の動きが出てきていること、雇用や医療サービスといった「S(社会)」に関する問題が表面化していることなどを背景に、ESG投資が注目を集めている

出典:日本経済新聞
グリーンリカバリーとは 環境重視の投資で経済浮上めざす

 

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