自己表現の増加とは?
自己表現の増加とは、SNSなどのプラットフォームやAIなどのテクノロジーの発達により、映像、グラフィック、文章等の制作・発信がオープンになり、誰もが表現者として活躍することができる環境が整い、創作・表現活動が一般化することである。技術革新により、多くの判断をAIに任せる時代が到来する一方で、自己表現のニーズ・重要性は更に高まる。
自己表現が活発化する一方で、承認欲求を満たすために、過激な言動を公表する人と、それを支持する人々が増加し、治安の悪化も懸念される。そして、著作権の問題やフェイクニュースに関するや問題や、表現への過剰な自己規制によって、コンテンツが画一化されてしまう可能性もある。誰もが表現主体となり得る世界において、規制をどのようにデザインするかが今後の課題である。
予想される未来社会の変化
- 自己表現が、一種のスキルとして認知されるようになり、アート・クリエイティブ教育への関心が高まる
- 画像生成AIなどのAIを使った表現技術によって、スキルを持たない人でも自己表現が容易になる
- 自己表現を収益化するスキームが整い、自己表現を副業・兼業とする人が増加したり、年齢を問わずクリエイターとして活躍するケースが増える
トレンド
・YouTube等動画共有サービスが発達したことで、誰もが映像コンテンツを発信できるようになり、映像制作が特権化されなくなった。映像、グラフィック、文章等の制作・発信がオープンになり、誰もが表現者として活躍することができる環境が整った。
・AIを使った表現技術によって、スキルを持たない人でも自己表現が容易になる。2022年には、一般の人でも利用できる画像生成AIサービスが複数公開された。「Stable Diffusion」は、オープンソースで公開されている画像生成AIで、個人のPCで利用することができる。
(出典:Stable Diffusion)
・様々なアプリケーションの普及により、人々が何かを制作することのハードルが下がり、ライフスタイルの中にクリエイティブが浸透してきた
・一方で承認欲求を満たすために、過激な言動を公表する人と、それを支持する人々が増加し、治安の悪化も懸念される
・技術革新により、多くの判断を人工知能に任せる時代が到来する一方で、自己の価値観や考えを発信し、コミュニケーションを取っていくことの重要性が更に拡大
・一方で、ネット上での表現規制がどうあるべきかという問題も浮上
ヘイトや児童ポルノ、著作権侵害を犯したコンテンツ、フェイクニュースなどが
出回ることは問題であるものの、表現規制が行われることにより、情報に偏りが生じるのではないかという懸念も指摘される
・市民のモラルが問われる一方で、表現への過剰な自己規制によって、コンテンツが画一化されてしまう可能性がある
・新型コロナウイルスの流行期には、外出自粛によって自宅での自由な時間が増えたことで、自己を内省する時間を得た人が多いという指摘がある
内省をきっかけに、クリエイティブな活動を通して、自己表現を行う人が増加する可能性もある
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