プロセスエコノミーとは?
プロセスエコノミーとは、商品やサービスの制作過程を公開し、過程自体に価値を見出す経済モデルで、消費者の参加や共感を通じて、新たな収益や関係性を生み出す仕組みを指す(例:クラウドファンディング、オンラインサロン)。特に、社会的意義や利他性を持つプロジェクトが注目を集め、ファンの共感と支持を得ている。将来的には、集合知による革新的な製品開発や、ブロックチェーンを活用した貢献度に基づく利益分配なども実現する可能性がある。
予想される未来社会の変化
- アウトプットエコノミーのコモディティ化が進む
- 製品やサービスを生み出す過程が世の中に広く公開され、最終成果物だけではなく、プロセスでの利益化・差別化が図られる
- YouTubeやオンラインサロンなどがより活況化する
トレンド
・物にあふれた現代、モノやサービスはコモディティ化し、機能での差別化が困難になってきた。そのため、「モノ消費」から「コト消費」「トキ消費」「イミ消費」などに変わってきたとも言われる。(モノ、コトに続く潮流、「トキ消費」はどうなっていくのか/夏山明美(連載:アフター・コロナの新文脈 博報堂の視点 Vol.13))
・そのような中で、上記のような最終成果物・アウトプットに対して(アウトプットエコノミー)、モノやサービスが完成するまでの過程(プロセス)を公開し、過程自体を売る「プロセスエコノミー」が注目されている。(「プロセスエコノミー」が必然になる2つ理由──「消費活動の変化」と「若者のオタク化」)
・また、プロセスエコノミーはプロセスを売るだけではなく、プロセスを公開することでサービスや商品に共感する顧客が増えるという側面もある。「ファン」が増えるような、利他的であったり、社会的に良いとされるようなプロセスやストーリーを持っているサービスは注目を集める。クラウドファンディングはまさにその一例と考えられるだろう。( 「プロセスエコノミー」は人の本能を刺激する。トレンド化する経済思考の正体とは )
・クラウドファンディングで言えば、CAMPFIREが挙げられるだろう。「これまでに6.3万件以上のプロジェクトが立ち上がり、720万人以上の人から570億円以上の支援が生まれました。」とHPにあり、企業や自治体はもちろん、個人の活動やクリエイターの資金集めが可能であり、コミュニティの形成も可能だ。それぞれが資金集めの背景やどういったプロセスで何を成そうとしているのかを示し、それに賛同した人がお金を払う。( CAMPFIRE )
・『ENU(エヌ)』はプロセスエコノミーを基軸にしたファンコミュニティアプリである。「日本の伝統工芸品やモノづくりをはじめとしたつくり手と、支援したいファン・フォロワーを継続的につなぐプラットフォーム」である。寄付や購入に留まらず、SNS上での応援・拡散も可能だ。( ENU公式HP)
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