a-08 : 感情・幸福度の可視化技術

感情・幸福度の可視化技術とは?

ウェアラブルデバイスなどを活用し、生体データ(心拍数や呼吸、体温の様子)や言動の記録を分析することで、感情や幸福度を客観的・定量的に評価することが可能になる
心拍数、呼吸、体温、脳波などの生体データや、日常の言動記録などを分析することで、感情や幸福度を数値化・視覚化する
メンタルヘルスケア、エンタメ、職場環境の改善、教育効果の測定など、幅広い分野での応用が期待されている

予想される未来社会の変化

  1. 感情に合わせて、個人に最適化されたサービス・商品の提供が可能になる
  2. 集約された感情のビックデータを分析することで、感情のトレンドが把握でき、より多くの人の心を掴むコンテンツの創出が可能になる
  3. 感情状態の可視化により、人間関係における誤解や摩擦が減少し、より深い相互理解が促進される
  4. AIが人の感情を把握できるようになり、AI・ロボットと人間のコミュニケーションが円滑になる

トレンド

脳波計を介したババ抜きゲーム〜色で駆け引きする新次元の心理戦〜

出典:PR TIMES「Visionary Lab、脳波を活用したババ抜きが総務省『異能vation』ジェネレーションアワード企業特別賞を受賞」

アラヤの社内ラボ「Visionary Lab」が開発した、脳波を活用したババ抜きゲーム「Colors」は、脳波から生理・心理状態をリアルタイムで測定し、照明の色に反映させることで相手の心を読み合う新感覚の心理戦。

総務省主催「2023年度異能vation ジェネレーションアワード」では企業特別賞(コーエーテクモホールディングス賞)を受賞。

Visionary Labは「空想に輪郭を。」をコンセプトに、AIやニューロテクノロジーを活用した体験の創出を目指している。

また、「異能vation」プロジェクトは、ICT分野での独創的な挑戦を支援する総務省の人材育成事業で、既存の常識にとらわれない発想を持つ人々の活動を促進している。

表情解析AIを用いたパーソナライズド・アロマ・レコメンド体験

PR TIMES『SOLO Wellbeingの表情解析AIを活用したパーソナライズド・アロマ・レコメンド体験が、 NTT東日本、NTTデータ、ストーリーライン が運営する「Wellness Lounge」に導入』

​2025年5月19日、NTT東日本、NTTデータ、ストーリーラインが共同で運営する「Wellness Lounge」が新宿・初台にグランドオープン。​この施設は、先端テクノロジーを活用して利用者の心身の状態を可視化し、それに応じた体験や空間を提供する共創型の実証施設。​

「Wellness Lounge」内の「HINATAエリア」では、「覚醒」をテーマに集中力向上やストレス軽減を促進する空間が構築されており、その一環として、SOLO Wellbeing Ltd.(イスラエル本社)の非接触型表情解析AIが導入された。​このAIは、カメラを用いて利用者の表情や感情を分析し、その結果に基づいて最適なアロマをレコメンドすることで、より深いパーソナライゼーションと体験価値の向上を実現する。​

この取り組みは、NTT東日本とSOLO Wellbeing Ltd.が連携し、NTT Innovation Laboratory Israel Ltd.との協力を通じて実現された。​SOLO Wellbeing Ltd.は、今後も最先端の表情解析AIを活用し、多様な産業との共創を通じた価値創出に取り組んでいく方針。

「顧客の声インテリジェンス™」プロジェクト

ジーネクスト『ジーネクスト、顧客の声の感情や反応のゆらぎを可視化し、事業に活かす「顧客の声インテリジェンス™」プロジェクトを始動』

​2025年4月17日、ジーネクストは、顧客の声(VoC)に含まれる感情や反応の変化を可視化し、企業活動に活用する「顧客の声インテリジェンス™」プロジェクトを開始。​このプロジェクトでは、東京大学大学院工学系研究科博士課程の伊藤公法氏らと連携し、自然言語処理(NLP)や深層学習の技術を用いて、VoCの感情のゆらぎを構造化・分析する基盤技術の開発を目指す。​

具体的には、顧客コミュニティの「気配」や「温度」といった新たな指標の探索や、ポジティブ/ネガティブといった単純な分類を超えた多様な感情のニュアンスを捉えるラベリング手法の検討を行う。​これにより、企業は市場の空気感や顧客の潜在的なニーズをいち早く把握し、マーケティングや商品企画、リスク対応などの意思決定をより本質的かつタイムリーに行うことが可能になる。​

開発された技術は、ジーネクストの顧客対応DXプラットフォーム「Discoveriez」への実装を予定しており、将来的には他の企業向けサービスへの応用展開も視野に入れている。​

ジーネクストは、VoCを企業価値の源泉と捉え、対応業務のデータ化・インテリジェンス化を通じて、クライアント企業の成長を支えるプラットフォームとして進化を続けていく方針。


NECがウェアラブルデバイスを用いた感情分析ソリューションをリリース

NECがウェアラブルデバイスを用いた感情分析ソリューションをリリース
出典:NEC「人の感情を“見える化”するNEC 感情分析ソリューション」

NECは人の感情を“見える化”するソリューションを提供している。感情把握する対象者にリストバンド型のウェアラブルデバイスを装着してもらい、脈拍数などのバイタルデータを収集する。収集したデータを独自アルゴリズムで分析し、対象者の感情を「興奮・喜び」「穏やか・リラックス」「憂鬱・疲労」「緊張・ストレス」の4象限に分類して可視化する。

NECの感情分析ソリューションはすでに様々な分野での活用を想定し、実証実験が実施されている。工場では、工程別に作業者の感情を分析し、緊張度の出現頻度が高い工程を抽出する。この工程の負荷の高さを特定することで、その後の改善に繋げられる可能性を見出している。

また、会議や研修では、登壇者のスピーチを聞いている人の感情を分析し、集中度や緊迫度を可視化しました。どんなことをどのように話すと聴衆はどう反応するのかを把握することで、より効果的なイベントづくりを期待できる。

他にもヘルスケアにおいては、社員がコンディションや行動をセルフチェックし、自分自身での変化や過去との比較、および他者との比較によって健康意識を高めるきっかけづくりにも活用している。

音声から感情を可視化するAI「Empath(エンパス)」

音声から感情を可視化するAI「Empath(エンパス)」
出典:ニュースイッチ「声から感情を可視化する、海外ビジコン席巻するベンチャーの正体」

Empath(エンパス)とは、人間の声から感情を解析するAIである。声のスピード、抑揚、トーンなどの音響物理的な特徴量から数万人の音声を溜め込んだデータベースをもとに喜怒哀楽や気分の浮き沈みを推定する。

東日本大震災の復興支援をするボランティアスタッフの不調を早めに検知するツールとして活用された。その後、コールセンター領域で活用が広がっている。今後は、様々な場面でのコミュニケーションを支援するテクノロジーとして注目されている。

動画内の表情から感情をリアルタイムに予測する深層学習フレームワーク

動画内の表情から感情をリアルタイムに予測する深層学習フレームワーク
出典:IT media「顔から感情をリアルタイムで読み取り分類 深層学習技術で」

Samsung AI(韓国)とインペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)の研究チームが、動画内の表情から感情を読み取る深層学習フレームワークを開発した。人間の感情(怒り、幸せ、悲しみなど)だけでなく、その感情がポジティブか、ネガティブか、興奮しているか、落ち着いているかまで読み取ることができる。

この手法は一般的な単眼カメラからの映像を入力に使用しているため、さまざまな分野において容易に活用でき、今後、製品や広告に対するユーザーの反応を数値化や、精神病の患者の兆候や状況を分析できる可能性がある。

 

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