b-03 : 水産資源の減少

水産資源の減少とは?

水産資源の減少は、世界的な需要の拡大と、過剰漁獲、違法漁業、海洋汚染、気候変動などの影響により深刻化している。世界の魚類資源の約3分の1が持続可能な水準を超えて利用され生態系のバランスも崩れつつあり、食料安全保障、沿岸地域の経済、海洋生態系に大きな影響を与えている。漁獲量規制、海洋保護区の設定、養殖技術の改善などの対策が進められている。

予想される未来社会の変化

  1. 漁業における水産資源の適切な管理ガイドラインの制定・養殖業における規制の厳格化
  2. 水産業におけるサスティナビリティ意識の増大
  3. 狩猟型食料が贅沢品化する
  4. 人工培養魚肉の生産量・消費量が大きく拡大する

トレンド

・健康志向の世界的な高まりをうけ、水産資源の消費は右肩上がりで増加している

・一方で、1980年代後半から漁業生産は横ばい。養殖業の増加分が、供給の増加分を担っている(出典:平成30年度水産白書(水産庁))

・世界の水産資源のうち、適正レベルの上限まで捕獲されている状態は全体の60%、適正レベルまで漁獲されておらず、生産量を増大させる余地のある資源は7%に留まる

・養殖業は水産資源の枯渇を防ぐ一方で、餌による水質汚染、生態系の撹乱、過度な抗生物質の使用など、問題やリスクも抱えている

・地球温暖化によって、今後(50~100年単位で)海水循環が大きく変動し、酸素や栄養塩の循環が停止する可能性がある。水産資源の大規模な偏在化が起きるのではないかと危惧される。

 

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