a-06 : 家庭用ロボット(家事・介護等)

家庭用ロボットとは?

家庭用ロボットとは、日常生活を豊かにするために設計されたロボティクス技術を用いた機械であり、家庭内での便益や楽しみを提供するためにさまざまな機能を備えている。一般的な家庭用ロボットの例としては、以下のようなものがある。

  1. 掃除ロボット…床やカーペットの掃除を自動的に行うためのロボット。代表的なものには、iRobotのRoombaやEcovacsのDeebotなどがある。
  2. 調理支援ロボット…料理の材料を切ったり、調理したりするのを助けるロボット。Moley Roboticsのロボットシェフなどがある。
  3. コンパニオンロボット…家庭内でのコンパニオンやコミュニケーションの相手として機能するロボット。Pepperなどのロボットは、会話やエンターテインメントを提供している。
  4. 警備ロボット…家のセキュリティを監視し、異常な動きを検出してアラートを発するロボット。センサーやカメラを使用して監視することがある。
  5. 介護支援ロボット…高齢者や身体障害者の日常生活を支援するためのロボット。移動支援や薬の提供、モニタリングなどに活用されている。
  6. 教育ロボット…子供たちの学習を支援するためのロボット。プログラミングや科学の基本などを教えることが可能である。
  7. エンターテイメントロボット…音楽を演奏したり、ダンスをしたりすることで家族の娯楽を提供するロボット。

これらの家庭用ロボットは、自律的に動作する能力や人とやり取りする能力を備えている。家庭用ロボットの技術は進化しており、将来的には様々な社会課題を解決することが期待されている。

予想される未来社会の変化

  1. ロボットが家事を代行し、余暇の時間が増える。
  2. 介護領域に関する人手不足の解消に貢献する。
  3. アバターロボットを操作する「ロボットオペレーター」という新職種が登場する。
  4. 各個人のニーズや傾向を学習し、多数のロボットを協調的に制御するスーパーコンピューターと各家庭でのハブとなるオーガナイザーロボットが生まれ、利用環境の最適化を行う。

トレンド

介護業界でのパートナーロボットのニーズは6割以上を占める結果に。

出典:総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への
人々の意識に関する調査研究」(平成27年)

パートナーロボット活用への期待が高まっている代表的な分野の一つとして、介護分野がある。介護分野でのロボット技術の活用については、既に一部で試行的取組が始まっている。そのようななかで、総務省が「排泄、食事、移乗」といった場面での介護ロボットによる支援の利用意向を調査したところ、介護する側、介護される側の両方で6割を超えた。

また、会話やダンス、クイズ・ゲームの相手をするコミュニケーションロボットの開発が進められている。ロボットとのコミュニケーションによる脳への刺激が認知症予防につながったり、ちょっとした運動を行うことで筋肉の萎縮や衰えを予防して寝たきり防止につながったりする効果が期待されている。他にも、ペットを飼える環境にない人にとって、その代わりのような存在になる可能性もある。総務省のアンケート調査では、このようなコミュニケーションロボットへの利用意向を尋ね、その結果、「利用したい」あるいは「利用を検討してもよい」と回答した人は46.3%と、介護用ロボットに比べると低いものの、半数近くとなった。

ロボットベンチャー「GROOVE X」が世界初の家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を発売

出典:LAVOT

2019年に発売開始された、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」は、新型コロナウイルスをきっかけに、需要が高まってきている。

LOVOTは、家事などの手伝いをするわけではないが、ペットのような可愛がられる存在としての役割を果たす。実際に、資生堂との共同実証実験では、LOVOTと共同生活をする方は、絆形成ホルモンである”オキシトシン”が高いことが判明し、初めて触れ合う被験者も15分の触れ合いで、ストレスホルモンである”コルチゾール”が減少することがわかった。LOVOTとの触れ合いは、アニマルセラピー同様の効果をもたらすことが示唆されている。

「おしゃべり機能」を搭載した見守りロボット「ユピ坊」が発売開始

出典:ブランドサイト

ユピ坊は、スマートフォンやタブレットで操作できる、愛らしいフォルムの見守りロボットである。介護施設や遠方などで離れて暮らす高齢者や家族、留守中の自宅で過ごす子どもやペットなど、大切な存在を、見られているという印象を与えずに、いつでもどこからでも見守る心強いパートナーとしての役割を果たす。2021年には、おしゃべり機能などを搭載。直接話しかけると特定のフレーズに反応し、ユピ坊とちょっとした対話を楽しむことができる。

全自動衣服折りたたみロボット『ランドロイド』

出典:KDDI「世界初の全自動衣服折りたたみロボット『ランドロイド』 185万円も手の届く範囲に?」

セブン・ドリーマーズ・ラボラトリー株式会社が限定予約販売中の「ランドロイド(laundroid)」は、洗って乾燥まで終わった洗濯物を本体に入れるだけで自動でたたんでくれる全自動衣類折りたたみ機である。

このランドロイドは、洗濯・乾燥を自動で行うだけでなく、終わった衣類をそのまま本体に入れるだけで、ロボットアームが洗濯物をたたみ、種類別に仕分けてくれる。

2015年9月より、ランドロイドの商品化に向けパナソニック、大和ハウスとの共同開発を開始し、同年の「CEATEC JAPAN」にてプロトタイプが公開されて話題となった。

なお、2019年、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーは破産を発表。ランドロイドの商品化は実現しなかった。

 

 \未来コンセプトペディアを活用してアイデア創出してみませんか?/

新規事業・新サービスアイデア創出ワークショップ

新規事業立ち上げの種となるアイデアを創出し、新たな領域への挑戦を支援します。

関連コンセプト