第9回 ニッポン・ハイテク再成長させる会 「地方創生のスマートシティ」―島根県益田市のデータ活用事例を掘り下げる座談会―

 スマートシティで地方創生を成功させた益田市の取り組みについて議論・考察するシンポジウム「第9回ニッポン・ハイテク再成長させる会」が2019年11月6日に開催され、一般社団法人益田サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)顧問でもある当社代表・藤元健太郎が座談会にてモデレーターを務めた。

【イベント概要】
日時:2019年11月6日(水)
場所:品川フロントビル

【パネラー(敬称略・順不同)】
MCSCC顧問 (公社)益田医師会 副会長 松本 祐二
KPMGコンサルティング(株) 執行役員 パートナー 椎名 茂
MCSCC専務理事 アーキテクトグランドデザイン(株) ファウンダー&チーフアーキテクト 豊崎 禎久
MCSCC OEM会員 (株)末松電子製作所 代表取締役社長 末松 謙一
MCSCC顧問 (株)ウフル ディレクター 杉山 恒司
MCSCC理事 キュレーションズ(株) 代表取締役CEO 根本 隆之
益田市役所 産業経済部観光交流課 参事 寺戸 一弘
MCSCC 客員研究員 岡村淳

 

 今回の座談会では、シンポジウムのテーマ「地方創生のスマートシティ」に関連する、デジタルツイン、ユーザーからのデータ提供のインセンティブ、海外のスマートシティの動向について議論が交わされた。

 デジタルツインとは、物理世界の出来事を、そっくりそのままデジタルで再現することである。システム上に現実世界を模したシミュレーション空間を構築することで、モニタリングやシミュレーションが容易になる。今後この技術が進むにつれて、河川の水位の変化などの将来予測に基づいた災害対策が可能になっていくと考えられる。それを踏まえて、AIの精度を向上させるために災害から道路の亀裂まで様々な現象の理由を解明していくことが、今できることとして挙げられた。

 ユーザーからのデータ提供のインセンティブをどうするかという議論も興味深く、これまでのMCSCCの取り組みを鑑みると「データを分析した結果が自分自身に還元されるかどうか」が一つのポイントである。例えば、自分の血圧データに対して健康に関するアドバイスが返ってくるのであれば、データ提供に賛同を得やすいということになる。ビジネスモデルにもよるが、データを収集し都市の運営に活かすには、地道ながらもそのように賛同者を増やすことが必要だ。一方で収集したデータの活用手法は、ツールなどの発達で昔に比べて簡単になっており、データを利用する目的が明確になっていることとその内容が目的に合っていることが、相対的にますます重要になることについても触れられた。

 海外におけるスマートシティの取り組みに関しては、こと中国が先進国として知られている。社会構造の違いなどもあるため、中国のモデルをそのまま日本で適用することは難しいが、パートナーとして事業に取り組みたいという期待の声も上がった。

 以上の議論を踏まえると、データの自由取引市場の整備などが進められている中で、データをどのように集め、なんのために活用するのかという課題は、スマートシティのみならずあらゆる業界に当てはまる。データをビジネスに活用するにあたり、利用する手法のハードルが下がったことで、提供者に納得感のある還元方法の模索や使えるデータの見極めがこれまで以上に求められるのは明らかである。益田市の事例は、そのような課題解決への一つの道筋としても、さらに注目を集めていくと思われる。

 

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