b-13 : 国際的なサプライチェーンのリスク化

国際的なサプライチェーンのリスク化とは?

デジタル化の進展により、従来一般的であった大量生産・大量消費による販売手法の陳腐化が表面化しつつあり、コト消費やモノのパーソナライズ化が求められている。大量生産・大量販売を支えてきたのが、グローバルサプライチェーンである。新型コロナウイルスによる全世界への感染拡大時には影響が仕入、メーカー、商社、物流業者など多岐に及び、グローバルサプライチェーンの脆弱性が露呈した。

国際的なサプライチェーンのリスク化とは、グローバルな供給網におけるリスクが増大し、それに伴う影響が顕在化することである。主なリスク要因には、自然災害、パンデミック、地政学的リスクなどがある。その影響は、製品の生産の遅延と中断、リスク対応によるコストの増加、複数の国や地域からの供給品の品質管理の難化等、多岐にわたり、複数の供給元の確保や、サプライチェーンの可視化とトレーサビリティの強化、供給網のローカライゼーションといったリスク緩和策が求められる。

予想される未来社会の変化

  1. サプライチェーンの地域分散と、ローカルサプライチェーンの強化
  2. AI・IoT等を活用したリアルタイムでのデータ収集・分析の拡大
  3. 人権や環境に配慮したサプライチェーンの構築

 

トレンド

・中国で発生した新型コロナウイルスの影響により、中国に生産拠点を置いていた企業のサプライチェーンは寸断。生産拠点の(中国)一極集中は、地政学的リスクや社会不安リスクなど、様々なリスクを考慮しなければならないことが表面化した。
今後は東南アジアやインドなど、周辺国への分散が進むことが考えられる

・今回、世界のあらゆる交通網が寸断したことで、予測不能な海外生産のリスクも新たに浮上した
コストや製造品質、人員配置などを考慮しつつ、リスク回避を最優先し、国内回帰する動きも見られるだろう

・国際的なサプライチェーンにおける人権・環境問題への対応も、重要な課題となっている
海外では、「人権を理由とした企業のサプライチェーンに影響する規制」の導入が進んでいる

 

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