COVID-19と原油価格の低迷化で揺れる経済・変わる未来
~FPRC Fortnight Feature(FFF)20年3月下旬号~


 毎月2回、FPRC研究員が国内外のニュースを取り上げ、独自の目線で読み解く「FPRC Fortnight Features(FFF)」。2020年3月下旬号として、COVID-19対策に活用が期待される技術、原油価格の低迷、スマートシティなどに関するトピックスをお届けいたします。

AI・5G

3/19 「ソニー損保、AIが事故リスク推定 最大30%還元
  〈https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56977830Z10C20A3000000/
 ドライバーの運転スキルを正確に把握し、保険料を変動させる時代になった。本サービスの普及には、ドライバー自身による運転状況の評価とAIによる評価のギャップを如何に少なくするかが鍵になりそうだ。

・「3/16 アリババクラウドのAI全ゲノム検査プラットフォーム、武漢の治療を支援
  〈https://www.afpbb.co/articles/-/3273540
・「3/22 アリババクラウド、新型肺炎AI診断技術を世界に無償提供
  〈https://www.afpbb.com/articles/-/3274553
 日本でもCOVID-19の流行により、医療キャパシティが圧迫され、医療崩壊が現実のものになろうとしている。医療崩壊を防ぐためには、AIなどの最先端技術を活用し、効率的かつスピーディに処理していく必要があるだろう。これまで採用してこなかった技術も有事の際には活用していく柔軟性が重要になると考えられる。

・3/23 「マッチングアプリでも顔認証 本人確認を月1万円台で実現」
  〈https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00284/00005/
 スマートフォンのロック解除だけでなく、Webサービスやアプリ利用でも顔認証の利用が進められている。顔認証は非接触で衛生的であり、認証に動作を必要としないため、利便性が良い。そのため、今後様々な領域で普及すると考えられる。

・3/23 「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト加速! 新時代の拡張体験を提供する
  〈https://techable.jp/archives/119820
 3月末から各通信事業者は第五世代移動通信(5G)のサービスを開始させる。5Gを活用したサービスの中では、VRやAR、ロボットなど、スマートフォンに変わる可能性にある、新しいデバイスを活用したものが多く存在する。5Gと外部機器を利用することで、これまでに不可能だったことができるようになり、人間活動の幅が広がることが期待される。

エネルギー・資源

・3/30 「世界の石油需要11年ぶり減へ IEAが2020年予測
  〈https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57386800Q0A330C2MM0000/
 COVID-19の影で、原油価格の急激な低下が起きている。2020年4月2日にはサウジアラビアとロシアの価格競争は終結に向けてアメリカ政府は動いているが、サウジアラビアは増産を撤回せず、平行線のままであったが、その翌日にはトランプ米大統領が世界で日量1000万バレルの原油減産を見込むとツイッターに投稿し、米原油先物相場はこれに反応し急伸した(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-02/Q86106DWLU6G01)。まだ正式にサウジアラビアとロシアが合意するかどうかが未定であるのと、これほどの減産の実現はハードルが高いため、まだ不安定な状況が続くだろう。

ロボティクス

・3/19 「中国調剤ロボット、薬品1000種超を識別
  〈https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56935930Y0A310C2FFE000/
 画像認識技術が向上したことにより、ロボットが薬品を自動で識別し、薬品のピックアップやチェックを行うという。煩雑な作業はロボットに任せ、労働者は最終チェックや、機器のメンテナンスを行うなど、生産性を高めるためにはロボットと人の分業が重要になる。これからはロボットとの協働を意識した業務プロセスの構築が求められそうだ。

・3/26 「日立が自律移動の会話ロボット「EMIEW」(エミュー)をついに本格事業化 移動速度は最大5キロ、多国語対応 卓上画面と連携可
  〈https://robotstart.info/2020/03/26/emiew4-hitachi.html
 人手不足問題の解消の一つの方法として、自律移動型のサービスロボットが注目されている。日立が開発した「EMIEW」は受付や案内だけでなく、巡回監視などもロボットが自律的に行なうことが可能だ。ロボットが労働者と同品質の作業が可能となった際に、ロボットの導入・ランニングコストが人件費を下回ったとき、急速にサービスロボットロボットが普及すると考えられる。軽作業がロボットに置き換わる時代は、すぐそこまで来ているのかもしれない。

モビリティ・MaaS

・3/19 「空港などで使える「自動運転車いす」が実用化へ 公道も走行可能
  〈https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/00929/
 移動が困難な人の足として自動運転のパーソナルモビリティが注目されている。自動運転のベンチャーであるZMPが開発した自動運転車いすは、公道走行も可能であり、介護施設や高齢者向け住宅への利用が期待される。

・3/16 「愛知県、ドコモと名鉄と協定締結へ 地方創生で連携」
   〈https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56840420W0A310C2L91000/
・3/28 「東京メトロが「大都市型MaaS」展開へ!まずアプリに複合検索機能を実装へ」
  〈https://jidounten-lab.com/u_tokyo-maas-metro-app
・3/31 「浜松市と遠州鉄道、スズキ、モビリティサービス推進コンソーシアム設立
  〈https://www.netdenjd.com/articles/-/230461
 東京メトロが鉄道やシェアサイクルなど多様なモビリティ事業者と連携し、東京メトロアプリをリニューアルし、マルチモーダルな経路検索機能を実装するという。また、浜松でも、モビリティ、スマートシティに関するコンソーシアムが立ち上げる。現在、限られた範囲のみを対象としたMaaSに関する実証実験やサービスが続々と開始されている。まだ、サービス間での連携を意識したものは存在しないが、今後は各サービスが連携し、単一のアプリである程度の領域をカバーできるサービスが求められるだろう。

スマートシティ

・3/24 「トヨタとNTTが資本提携、スマートシティで連携」
  〈https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57143640U0A320C2MM0000/
・3/31 「加賀市がスマートシティ宣言 総合計画で目標や戦略発表」
  〈https://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20200331/CK2020033102000006.html
 トヨタが今年1月に開催されたCESで発表した静岡県裾野市のスマートシティ構想(正式名称はコネクティッド・シティ※他記事・コンテンツと整合性を持たせるため、便宜上、スマートシティと記載)を機に、スマートシティに関する世の中の関心は一気に高まったと感じる。CESの発表から2ヶ月後、トヨタはNTTと資本提携を行い、スマートシティ構想を加速させると発表し、世間を賑わせた。また、地方でもデジタルを活用して地域特有の課題を解決していく動きが活発化しており、加賀市では労働力不足や地域コミュニティの衰退といった問題に対してICTを活用して解決を目指すと宣言した。

 日本では3月に入りCOVID-19の拡大が顕著となり、この1ヶ月で我々の日常生活は大きく様変わりした。会社は在宅勤務を推進するようになり、学校では授業が配信されるようになるなど、これまで語られていた未来が急に我々の前に姿を現したのである。このように有事の際は、数々の実験やあらゆる承認ステップを経て決めていくようなことが、スピーディに決まっていく。今回取り上げたロボットの導入や都市のスマート化は、まさしく今求められていることであり、今回のCOVID-19の拡大の影響で、急速に発展することが予想される。しかし日本は災害大国であり、地震や台風など様々なリスクや二酸化炭素排出の削減などの課題を抱えていることを忘れてはいけない。我々はこのCOVID-19の影響だけを当てはめたモデルではなく、それ以外の要素を加味した柔軟な社会システムの構築を目指す必要がある。これまでの経験を踏まえて社会のあるべき姿を考え、バックキャスト的アプローチにより、目標に向かって進んでいくことが重要になるだろう。

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