After/Withコロナ時代に向けたサービス開発
~FPRC Fortnight Feature(FFF)20年6月下旬号~

毎月2回、FPRC研究員が国内外のニュースを取り上げ、独自の目線で読み解く「FPRC Fortnight Feature(FFF)」。2020年6月下旬号として、一次産業におけるICT活用、コロナ禍におけるエンタメコンテンツなどに関するトピックスをお届けいたします。

 

一次産業

6/22「【世界初】NTT東日本がICTでウニづくり ウニノミクスと陸上畜養トータルソリューション構築に向けた共同実験協定締結
  <https://robotstart.info/2020/06/22/uninomics-ntteast.html>

6/24「アワビやナマコをIoTで守る 密漁者を音で検知 沖電気が対策システム」 
  <https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/24/news090.html>

ICTによる一次産業支援が進んでいる。世界的な人口増加により水産資源の枯渇が懸念されている。漁獲量は年々低下しているが、一方で養殖業は増加している。ICTの活用により、養殖業の効率化がさらに進み、生産量の増進が予想される。

 

エンタメ

6/17「自宅から現地観戦、KDDIとベイスターズが「バーチャルスタジアム」構築目指す」  
  <https://www.moguravr.com/kddi-baystars-virtual-stadium/>

6/28「ライブ配信のハードルを下げる!データアーティスト株式会社のリアルタイムモザイクAI」  
  <https://techable.jp/archives/129464>

6/30「離れていても音でつながる!ヤマハがリモート合奏サービス「SYNCROOM」を公開」 
  <https://techable.jp/archives/129659>

6/30「アマゾンのプライムビデオに最大100人で利用できる共同視聴機能「ウォッチパーティー」が登場」
  <https://jp.techcrunch.com/2020/06/30/2020-06-29-amazon-prime-video-introduces-watch-party-a-social-coviewing-experience-included-with-prime/>

新型コロナウイルス蔓延により、人の接触が制限された。そのような状況下でも他社とのコミュニケーションを楽しめるコンテンツを各社デジタルで提供している。特に、ユーザーとの一体感やインタラクティブさを重視したサービスが多く見られる。

 

 

ヘルスケア・ウェルネス

6/23「ミシガン大がAIベースのバーチャルカウンセラーを公開!」
  <https://techable.jp/archives/128904>

6/23「尿にペーパーを浸しスマホ撮影するだけ、栄養検査の新機軸」
  <https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00003/062300129/>

6/30「日立、従業員の“幸せ”見える化する新会社 幸福度計測でマネジメント支援」
  <https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/30/news127.html>

コロナウイルスによる身体的な健康リスクはもちろんだが、外出自粛や休業などによる精神的なストレスも問題視されている。コロナ禍においては、AIを活用したメンタルケアサービス、健康経営の文脈で従業員の精神的状況を可視化するサービスなど、精神面にフォーカスしたサービスの増加が特徴的である。また、健康経営関連サービスの需要は今後ますます増加すると予想される。

関連記事After/Withコロナ時代のウェルネスを考える(第十二回)

 

小売

6/22「AIが来店客にあわせて最適な販促コンテンツを表示 一般的な陳列棚に装着可能なデジタルサイネージ リコーとタナックス共同開発」
  <https://robotstart.info/2020/06/22/connected-shelf-tana-x.html>

6/30「ファミマ、遠隔操作ロボットを一部店舗に導入 商品の検品・陳列を効率化 今夏から」
  <https://news.yahoo.co.jp/articles/c717e7524e909dcf49af9c3ddd98fbdd63c92753>

近年、小売店舗でも個客のデータを取得し、それを活用したパーソナルなサービスが展開され始めている。カメラとAIを用いて、その人にマッチした広告をサイネージ上に掲載するなど、店舗でも積極的にデータを取得する動きが見られる。また、オンライン(EC)とオフライン(店舗)の両方のデータを活用して、各顧客に合わせた体験を提供する「OMO:Online Merges with Offline 」の概念も浸透し始めている。

 

ロボティクス・モビリティ・ドローン

6/16「国内化粧品業界初・自動製剤調合ロボットを導入 」  
  <https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000044879.htmll>

6/23「時給980円の「ロボット労働力」誕生!労働力のサブスクリプションサービス『Chitose Robot Services』が7月1日(水) 一般提供開始」
  <https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000040625.html>

6/28「電力プラント、ドローンで点検 経産省が規制緩和」  
  <https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60896270X20C20A6EA3000/>

6/30「自動運転レベル3に関する初の国際基準、21年1月に発効」
  <https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04240/>

生産性の向上を目的に、工場でのロボティクス活用が進んでいる。また、プラントなどの保守点検業務は、ドローンやロボットを使ったものが今後主流になると予想される。

 

MaaS・スマートシティ

6/23「東京海上日動がタイムズ24と業務提携 MaaS領域でサービス開発を促進」
  <https://ampmedia.jp/2020/06/23/tokiomarine-2/>

6/30「生活者目線のMaaSを開発、博報堂とヴァル研究所が提携」
  <https://response.jp/article/2020/06/30/336086.html>

6/30「「神戸市ドコモAI翻訳実証事業」開始! AI翻訳で外国人住民への対応を効率化」
  <https://techable.jp/archives/129706>

6/30「最先端の都市型スマートビルにはロボット、AI、IoT技術が満載 9月開業の「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」の最先端技術」
  <https://robotstart.info/2020/06/30/tokyo-portcity-914-open.html>

コロナ禍でMaaSに関する動きは停滞していた、6月下旬に入って徐々に活発的になりつつある。コロナにより生活者のライフスタイル・価値観に変化が生じ、特に移動に対する意識は大きく変化したと考えられる。After/Withコロナ時代は移動する価値のある、移動の先のコンテンツが重要になるだろう。

 

エネルギー

6/29「トルエンで水素運ぶ NEDOが国際実証、コンテナ貯蔵可能」 
  <https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00562530>

6/29「NTT東日本がバイオマスの新会社「ビオストック」設立 畜産・酪農で地域循環型エコシステム構築へ バイオマスリサーチと合弁」  
  <https://robotstart.info/2020/06/29/biostock.html>

日本政府が力を入れている水素社会に向けて、実証実験が行われている。今回NEDOが実施した実証実験は、国際間で水素(トルエンの形で)をコンテナで輸送可能化どうかを実証するもの。国際間の水素サプライチェーンの構築を目指す。

生活者のライフスタイル・価値観は新型コロナウイルスによって、大きく変化した。我々はコロナによって、自身や自身を取り巻く社会の健康や幸せについて考えるきっかけを得た。After/Withコロナ時代は、「自己防衛意識の高まり」「生活者によるパブリックへの積極的な関与」が大きな流れになるだろう。

6月下旬に入り、各方面でAfter/Withコロナ時代に向けた動きが活発化している。特に、リアルコンテンツのデジタル化が急速に進んでいる。一方、リアルで体験していたことをそのままデジタルで体験するには、まだまだソフトウェア・ハードウェア・通信といった各方面で大きなハードルが存在する。そのため、After/Withコロナ時代は、リアルとデジタルがミックスされたサービスが主流になると予想される。

今回の新型コロナウイルス流行を経て社会がどのように変化するか、そして各業界がどのような戦略にシフトしていくべきなのかを考察した「アフターコロナ時代のビジネス戦略」を連載しています。ぜひ「こちら」もご確認ください。