c-17 : 都市のスマート化

スマートシティの基盤となる都市OSとは?

都市OSとは、都市を運用するなかで必要な情報を一元管理するとともに、他の自治体や企業などとも連携可能なプラットフォームを指す。スマートシティは都市OSを基盤として構築されるため、スマートシティ実現の成功のカギを握っている重要な要素となる。

日本版スマートシティの実現に向けて、都市OSは以下の3つの要件を備える必要がある。

  1. 相互運用(つながる)
  2. データ流通(ながれる)
  3. 拡張容易(つづけられる)

従来の都市は、分野や組織ごとで個別に特化したシステムを採用しており、分野や組織ごとにデータが独立している状態であった。他の地域や企業における情報の横展開が困難であり、非効率な運用がなされていたことが課題であった。

都市OSが構築されることで、地域間で有用なデータの循環させることが可能になり、街づくりやビジネスにイノベーションをもたらすことが期待されている。日本だけでなく、世界の都市は様々な問題を抱えており、中国やアメリカ、欧州などでもスマートシティプロジェクトは急速に進展している。

 

予想される未来社会の変化

  1. 行政サービスの個人最適化と全体効率化を実現できる。
  2. マイナンバーと多様なデータが連携し、個々の事情や要望に最適なサービスが提供される。
  3. 高いレベルでのプライバシーの保護が要求される。
  4. 活用できる分野は幅広いため、都市OSは長い期間をかけて拡大していく。

 

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