a-37 : ポスト5G・6G・7G

次世代通信技術「ポスト5G(6G・7G)」とは?

ポスト5G(6G・7G)とは、5G(第5世代移動通信)に続く次世代の通信技術システムである。5Gを大きく上回る性能で、超高速・大容量通信、デバイスの多数接続、超低消費電力化など実現し、多様な産業で革新を起こすことが期待されている。

2020年、日本で5Gの一般利用が開始され、政府は2023年までに全国98%の範囲に5G基地局を展開する目標を掲げいる。また、2024年度には5G対応スマホの出荷率が100%になる見込みであり、日常的に5Gを利用できる時代が実現されつつある。

6G・7Gについて、国際的な基準はまだ定まっておらず、具体的な仕様は決きまっていない。通信会社を始めとした各社がコンセプトを発表し、実現に向けて構想を練っている状況である。

 

予想される未来社会の変化

  1. リアルタイムで3D映像が浮かび上がるデバイスが普及し、サイバー空間上で協調作業が行える。
  2. 空・海・宇宙まで通信が届き、一次産業の無人化や高度化が進む。
  3. 環境問題に配慮して、消費電力量の低減技術が発展し、充電不要のデバイスが誕生する。
  4. 通信のタイムラグがなくなり、AIロボットが瞬時に人の感情を読み取り、違和感のないサービスを提供する。
  5. 働く場所・時間の制約の撤廃により、地域格差が解消される。

 

トレンド

ドコモ、6Gに向けた技術コンセプトを公開

ドコモ、6Gに向けた技術コンセプトを公開
出典:docomo「5G Evolution & 6G」

2020年から、NTTドコモは、5G evolutionならびに6Gにより期待されるさまざまなユースケース、目標性能、技術要素などの技術コンセプトをまとめている。ドコモは、2030年頃にサービスの提供開始を目指して、6Gの技術規格の検討、研究開発に取り組んでいる。

6Gの内容については、ホワイトペーパーにして公開しており、現在は5.0版まで更新している。

6Gでは、高速・大容量や低遅延などを同時に実現する「複数要求条件の同時実現」、テラヘルツ波などの「新たな高周波数帯の開拓」、従来の通信技術では実現が難しい「空・海・宇宙などへの通信エリアの拡大」、「超低消費電力・低コストの通信実現」などの実現を視野に入れている。

経済産業省、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業を開始

経済産業省、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業を開始
出典:経済産業省「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」

2020年、経済産業省は、ポスト5Gに対応した情報通信システムで必要となる、先端半導体の国内製造技術の開発を促進する「ポスト5G情報通信システム基盤開発事業」を開始した。開発テーマごとに公募を行い、採択事業者が決まり始めている。

経済産業省は、この事業で開発した技術の実用化率50%以上(各採択テーマ終了後概ね3年時点)を最終的な成果目標として掲げている。

中国、世界初となる6G試験衛星の打ち上げに成功

イメージ写真

中国政府は6Gの取り組みに積極的であり、中国科学技術省は中国国内で5Gの一般利用が始まった数日後に、国策として6G開発を進めると宣言している。

2020年11月には、世界初の6G試験衛星「電子科技大学号」の打ち上げに成功している。6Gの仕様が決定するまでには数年かかる見込みであり、今回の6G試験衛星は、テラヘルツ周波数(6Gの実現に重要となる高周波数帯)を利用した通信などの検証を目的としている。

 

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