五感の伝送技術とは?
五感の伝送技術とは、視覚や聴覚だけでなく、嗅覚、触覚、味覚といった感覚を遠隔地に伝える技術のこと。
よりリアルな情報を遠隔地から知覚できるようになり、医療・教育・エンタメ・マーケティングなど様々な分野での活用が期待されている。例えば、遠隔手術やリハビリテーション、遠隔教育プログラムでの実践的な体験の提供、ゲーム・映画などバーチャル空間でのよりリアルな体験などが可能となる。
予想される未来社会の変化
- 五感すべての感覚の伝送が実現し、人々はよりリアルな情報を、その場にいながら感じることができる。それにより移動の必要性が減少する
- 遠隔医療や環境検査などに技術が活用され、人手不足と高齢化社会に対応できる
トレンド
・生物の嗅覚構造は複雑であり、人間には匂いの受容体が350種類あるとされる。一方、匂い成分は40万種類あるとされ、他の感覚とはデータ量の規模が膨大で、未開拓の分野となっている
・東京工業大学は嗅覚センサーで匂いを数値化し、それを元に32種類の要素臭を混ぜ合わせて、再現する技術を開発した
・ソフトバンクは、モノを持った時の固い、柔らかいという感覚の力触覚情報を、無線通信を介して伝送する実証実験を行った。
4Gでは通信遅延により正確に情報を伝送できなかったが、 5Gでは高精度の力触覚の伝送、再現に成功。これにより、5G通信技術を使って、繊細な力加減を必要とするロボットの遠隔操作が可能になるとしている
・NECは様々なにおい成分を判別する「嗅覚IoTプラットフォーム」を
研究している。
ガス分子による変化パターンのデータを、クラウド上に蓄積していき、判別エンジンが学習を行い匂いを判別する仕組み。応用分野として、下記をあげている
①ヘルスケア:呼気や体臭による体調管理
②食品:においによる果実の成熟度判別、家畜の体調管理
③環境:ホルムアルデヒドなどの検出
④安全、セキュリティ:設備のヘルスモニタリング
・BMIの発展により、直接脳に匂いの情報を伝達することも可能となる
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