a-23 : 遺伝子検査・ゲノム解析

予想される社会的な影響

・遺伝子データと結果の相関性を活用したサービスの主流化と結果データを活用した検証・研究の急進展がおこる

・精子、卵子のドナーマッチングの進展

・遺伝子カップルマッチングの進展

・遺伝子データによる差別が社会問題化

・遺伝子にマッチングした商品開発(食品、化粧品など)の進展

背景・理由・事例

・遺伝子検査キットのビジネスは、アメリカの「23andMe」が2007年から唾液による消費者への遺伝子検査の提供を行ったところから始まる。すでに2000万人を超える利用があったといい、収集されたデータは社内の研究者により、遺伝性疾患の研究に役立てられてる。

新型コロナウイルスでも60万人のユーザーが研究のためにデータ提供を選択しており、その圧倒的なデータ量から、何らかの研究成果が期待される。新型コロナウイルスでは人によって重症化したり、無症状であったりと、遺伝的な要因があるのではとされる。

23andMe: Getting Started USA

・日本でも2017年頃から唾液や毛髪を使った遺伝子検査キットビジネスが流行。多くがオンラインサイトで価格1万円~3万円程度で購入でき、唾液や毛髪などの検体を郵送するなど、非常に簡便に検査できるようになっている

・日本で販売される遺伝子検査キットは、疾病リスクや体質傾向、ダイエット、美肌、薄毛、子供の能力等の判定であり、非常に幅広い

・検査の質については、医療機関が介在しないことから確立されているとは言えない。今後法規制が検討されているという

・新型コロナウイルス感染拡大により、自宅用の検査キット開発が進んでいる。アメリカのMammoth Biosciencesは、自宅検査キットをコンシューマー向けに販売。コロナウイルスの検査簡便化、検査の自宅化を契機に、あらゆる検査を自宅で手軽に行うことが一般化する可能性がある

出典:Mammoth Biosciences HPより

・妊娠検査薬、HIV、コレステロール、アレルギー、ピロリ菌などの自宅用検査キットが、すでにドラッグストアやECサイトで広く販売されており、このような検査キットは生活者の手に取りやすく身近な商品となってきている

・今後は遺伝子データの活用方法が争点となる。
遺伝データによる雇用プロセスや保険加入の際の差別に用いられるのでは、という懸念もある。しかし、遺伝子データはデータ母数が多いほど精度が向上するため、適切なデータ活用ルール策定の上、一層の進展が求められる

 

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