a-21 : BMI(Brain Machine Interface)

BMI・脳と機械の接続とは?

BMI(BrainMachineInterface)とは、脳と機械をつなぎ、直接信号をやり取りする技術を指す。米国ではBCI(BrainComputerInterface)と呼ばれることも多い。

BMIは、信号をやり取りする方向によって、出力型と入力型に分けられる。出力型BMIは、脳信号を利用して機器を操作するもので、入力型は感覚信号を電気信号にコーディングして脳に刺激を与えて感覚を得るものである。現在は情報が一方向に流れる片方向インターフェースのみが実現しつつあるが、脳と機械の双方向の情報のやり取りが可能な双方向インターフェースも実現する可能性がある。

また、信号のやり取りのルートを確保するために手術が必要かどうかで、大脳皮質に電極を埋め込むインプラント型(侵襲型)と、脳の外から磁気信号などを読み取る装着型(非侵襲型)に分けられる。侵襲型BMIでありながら、ロボットを活用して手術のリスクを低減し、ユーザーが持ち帰って自分で操作できるほどの手軽さを備えたシステムなどが開発されている。

まずは医療分野での侵襲型BMIの活用が進み、その後日常生活で装着可能なデバイスが手軽に利用できるようになれば、医療の領域にとどまらず、睡眠や幸福度のマネジメントといった日常生活の質の向上や、エンタメ、教育など様々な分野での活用が期待される。

予想される未来社会の変化

  1. 帽子やメガネ等のデバイスを用いて、非侵襲で脳内の意思を伝送できる技術が確立する。
  2. 多人数の脳内データが蓄積され、集合知が誕生する。
  3. 集合知を通した「脳のシェアリング」が可能となる。
  4. 機械と人の境界を曖昧化させ、生物の意味・生の意味を再定義する。

トレンド

・イーロン・マスク氏が創業したNeuralink社は、脳で思考すると文字入力ができるBMIシステムの開発を目指している。
脳直結型装置 「 LINK V0.9 」と、それを脳に埋め込むための外科手術用のロボットを発表。LINKを移植したブタによるデモが行われた。
2021年4月には、「N1 Link」を脳に埋め込んだマカクザルが、ゲームのコントローラーを使わずに、脳だけでお気に入りのゲームをプレイする動画を公開した。LINKは、2020年7月に米国の食品医薬品局(FDA)による医療端末としての認定を受けており、人への移植に向けた準備が進んでいる

出典:Neuralink ウェブサイト

・BMI技術は医療業界で注目を集めており、特に日本では下記3つの領域で有望視されている
①身体機能の代替 ②脳・身体機能の回復促進 ③精神・神経疾患等の治療

・人間の意識をコンピューターにアップロードする「脳全体のエミュレーション」はすでに技術的に可能となっている。
アメリカのNectome社は脳に防腐処理し、数千年保存することが可能で、残された脳をスキャンして、コンピューターシミュレーションして再生させられるという

・従来のBMIは、脳から機械への方向が一般的であったが、機械から脳への出力も可能にする双方向的なBMIの研究が進んでいる。これにより、ロボットアームの操作パフォーマンスを大幅に改善することが可能である。

“Neuroprosthesis” Restores Words to Man with Paralysis

 

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