予想される社会的な影響
・オフライン(リアル)店舗が体験の場としてより特化した役割を持つ
・大量の店頭在庫が不要になり売り場が縮小・効率化される
・アイテムやブランド等が固定化されず、売り場がより柔軟に運用される様になる
・すべての在庫情報がデジタル化・統合管理されることで不良在庫が圧縮される
・顧客情報も統合化され、情報銀行的機能の重要性が高まる
・モバイルペイメント・キャッシュレス決裁のさらなる進展
背景・理由・事例
・オムニチャネル・OMOが注目されるようになった要因として、スマートフォンの急速な普及が挙げられる
スマートフォンを介し、生活者はあらゆるサービスを享受できるようになり、スマートフォンを操作するだけで買い物等の社会生活が営めるようになった。
デジタルの進化は消費者の購買チャネルを多角化し、オフライン(リアル)とオンライン(デジタル)の境目が曖昧化するものの、融合化していくことが考えられる
・消費者の価値観変化も要因として考えられる
デジタルを活用し、時間と場所の制限から解放され、シームレスな購買体験の価値が高まった。また、モノからコト志向への変化や、SNS普及による価値観の多様化など、消費者の購買行動は複雑・多様化している
これらの変化に対応するためには、デジタルを活用し、高度な体験価値の提供が不可避である
・オフラインとオンライン購買の垣根が無くなった世界においては、いかに顧客の行動データを取得し、ユーザーに合ったコミュニケーションを提供できるかがカギとなる
ユーザーをよく知ることで、UX(ユーザーエクスペリエンス)を主軸の置いた価値を提供していく必要がある
・新型コロナウイルスの感染拡大は、消費者の購買行動を大きく変化させた。
多くの店舗がその変化に対応せざるをえなくなり、人との接触を減らすためUberEatsなどの食品宅配、モバイルオーダー、カーブサイドピックアップ、BOPIS(Buy Online Pickup In Store)など、デジタルを活用した新しい購買形態が急速に受け入れられることとなった
これらの購買形態を一度体験した消費者にとっては、今後それらが一般化していくこと考えられる。この流れは、オムニチャネル・OMOの進展をさらに早めることとなる

・オンライン専業であったAmazonは、近年オフライン店舗に力を入れている。
レジなしコンビニ形態の「Amazon Go」をはじめ、「Amazon Go Grocery」、キオスク型「Amazon Pop Up」、「Amazon Books」、食料品の効率的な受け取りを提供する「Amazon Fresh Pickup」等を米国で展開。
オンラインで選んだものをオフラインで購入したり、オフラインで選んだものをオンラインで購入する顧客体験を提供し、顧客を軸にしたチャネル管理を行おうとしている

・Amazonはロンドンにヘアサロンをオープンした。店舗では、ARを使用して髪の色を試すことが可能な最新のテクノロジーを取り入れたり、オンラインで販売している商品の紹介を行うなど顧客体験の強化を目的としている。

