デジタルトランスフォーメーションによるカスタマーサポート強化を実現!

あらゆる物事がデジタル化され、消費者の利便性が高まっている一方で、情報過多や煩雑化を招き、消費者自身だけでは解決できない事が多くなっています。そこで重要な役割を担っているのがカスタマーセンターです。
本稿では、デジタルトランスフォーメーション時代の「カスタマーサポート」体制について、コンサルティング会社としての視点で簡潔に取り上げています。

デジタルトランスフォーメーション時代だからこそカスタマーサポートが重要!

消費シーンやビジネスシーンにおいて、あらゆるプロセスがデジタル化する中で、カスタマーサポートの重要性も高まっています。

矢野経済研究所によると、コールセンター(テレマーケティング)市場は、2013年度以降も年々拡大傾向にあり、2018年度は2013年度対比で110%になると予測されています。

(出所:矢野経済研究所「コールセンター(テレマーケティング)市場・コンタクトセンター/CRMソリューション市場に関する調査」2016年)

例えば、デジタルトランスフォーメーションにより、ビジネスモデルがサブスクリプション型へと変化することで、顧客との長期的な取り引きが発生し、それに伴い顧客からの問い合わせシーンが増加します。

また、デジタル化が進むことで、情報過多状態になり、顧客自ら情報を探すよりも問い合わせした方が早い、あるいは店舗の概念がオンライン化することで今まで店舗スタッフが対応していた応対業務を誰かが代替する必要がある等、様々な理由でカスタマーサポートが求められるようになっています。

これらの顧客からの問い合せにきちんと対応することは、顧客からの信頼を得、満足を高め、ライフタイムバリューの向上にとって重要な役割を担っています。

従来のチャットボットでは顧客不満足を招く恐れがある

一方で、カスタマーサポートの重要度が高まる中で、サポート業務を担うカスタマーセンターの負担は増大していきます。

顧客数の増加=問い合わせ数の増加となり、問い合わせ数増加を見越してカスタマーセンターのスタッフ稼働を調整し確保しておかなければなりません。また、顧客接点がデジタル化することで、企業側の営業時間やロケーションに関係なく顧客がサービスを利用するようになり、従来の有人対応を前提としたカスタマーセンターでは対応し切れない状況になっています。

顧客視点でカスタマーセンターに対する不満点を調べると次の様な意見が上位に挙がっています。

1位:待ち時間が長い
2位:音声応答システム番号の入力
3位:話中が多い

(出所:「コールセンター白書2010」)

そしてコールセンターに不満を感じた顧客の25%が離反するという状況にあります。

(出所:「コールセンター白書2010」)

この問題を解決する手段として採用が進んでいるのがチャットボットです。実際にチャットボットを使用したことがある企業の利用シーンでは「カスタマーサポート」が高い割合で挙げられています。

(出所:株式会社アイアクト「AI・チャットボットに関しての意識調査」2017年)

しかしながら、従来のチャットボットでは、顧客のあいまいな質問に対してその意図とは異なる回答をしてしまうケースが頻出し、必ずしも満足する成果を出せているとは言えない状況があります。

顧客の声として、チャット/会話形式の問い合せを使用したことがある人の58%が「不満を感じた」という結果が出ています。


その理由として上位2項目に「他の方法で問合せした方が解決が早い」、「的確な回答ではなかった」という声が挙げられています。(出所:株式会社ネオマーケティング「ECサイトの問い合わせチャットに関するアンケート調査」2017年)

また、別の調査でも、チャットボットの課題として「的確な回答ではない」に次いで「会話が不自然」が挙げられています。(出所:株式会社アイアクト「AI・チャットボットに関しての意識調査」2017年)

カスタマーサポートが顧客体験価値を高めるために必要でありつつも、従来の有人カスタマーセンターやシステマチックな対応に終始してしまうチャットボットに代わる手段が求められています。

AIチャットボットの活用で、カスタマーサポートのクオリティを向上する!!

これらの課題を解決する方法がAIチャットボットの活用です。
AIチャットボットを活用することで業務効率が高まり、的確なカスタマーサポートを実現することができます。

大手通信会社では独立したチャットボットではなく、顧客からの質問にオペレーターが回答する際にAIが最適な回答をアシストするチャットボットシステムを導入したところ、一人当たりの研修コストが20時間削減でき、新人オペレーターでも経験半年程度のオペレーターと同程度の実績を獲得できるようになり、習熟度の早期化によるコスト削減を実現しています。

このAIチャットボット活用のポイントは3つです。

あいまいな質問に対する正答率の高さ

AIによる自然言語処理をあらかじめ施したエンジンを搭載することで、あいまいな質問のニーズを汲み取り、的確な回答を提示することができるようになります。
弊社パートナーのエンジンは、業界初の正答率95%保証でサービスを提供いたします。

WEB接客ツール等の他ソリューションとのコラボレーション

AIチャットボットとWEB接客ツールを連携させることで、顧客の行動履歴をもとにした最適な対話ルールを設定することができます。既存のWEB接客ツールを運用しているのであれば、そこに精度の高いAIチャットボットエンジンを組み込むことで、既存リソースを活用して接客強化を図ることもできます。

また、カスタマーセンター業務への組み込み、マーケティングオートメーションとの連携など、柔軟にコラボレ—ションできる点もチャットボットの魅力の一つです。

顧客体験を高めるシナリオ設計

ここが最も重視すべきポイントです。どのような顧客にどのような接客を行うかのシナリオを設計し、実績をみながらシナリオをメンテナンスしていく事で、最適な顧客体験を提供する事ができます。

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Mikio Aaskawa

マーケティングエージェンシーや制作会社にて各種リサーチ・分析業務を経験した後、2009年よりD4DRのシニアアナリストとして、データドリブンのマーケティング支援に従事。現在はプリンシパルとなりプロジェクトリーダー兼アナリストとして、顧客視点で企業のマーケティング戦略立案や課題抽出、アクションプラン立案を支援している。

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