シンクタンクFPRC マーケティング 顧客の“感動体験”がWEBサイトを強くする!! (ケーススタディ:デジタルマーケティング強化に活かすInstagram分析)①
顧客の“感動体験”がWEBサイトを強くする!! (ケーススタディ:デジタルマーケティング強化に活かすInstagram分析)①

「現在実施しているデジタルマーケティングは生活者に届いているのか?」

企業や自治体、個人商店まで、規模を問わずに幅広く取り入れられるようになったデジタルマーケティングにより、企業や自治体は多くの顧客と接する事ができるようになりました。WEBサイトやアプリ、SNSなど、デジタライズされた顧客接点を通じてより効果的なコミュニケーションを取るためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

その問いに対する答えの一つが、マーケティング4.0時代の「顧客の自己実現」を支援することであり、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の「ソーシャル/ビッグデータの活用」です。

本稿では、そのケーススタディとして、Instagramのユーザ投稿というソーシャルメディアのビッグデータを分析し、企業・自治体のWEBサイトをさらに発展させるための要素を導き出しました。


Instagramはマーケティング4.0を体現するメディア

はじめにInstagramの特徴について簡単におさらいをしておきます。
Instagramは、“驚きや感動”を体験をした生活者が、その体験を画像として投稿し、他者にシェアをするメディアです。そして、その投稿画像を見た他の生活者が、同じ体験をしたいという思いを強くし、行動を起こすきっかけを作っています。

まさにInstagramは、生活者が感じた”驚きや感動”という体験価値を、画像という形で誰でも直感的に共有・理解し、行動を促進するという、まさにマーケティング4.0を体現するメディアといえます。


そこで、今回は、近年注目を集めつつある「五島列島」を対象に、Instagramの投稿データを分析し、観光客が五島列島のどの様なモノ・コトに魅力を感じているかを探り、五島市観光WEBサイト「五島の島たび」をさらに発展させるための要素を導き出していきます。

・分析対象:五島市観光WEBサイト「五島の島たび」(https://goto.nagasaki-tabinet.com)
※本調査は弊社独自の見解で実施しております。


Instagramは観光客の体験の縮図

「#五島列島」をキーとして、Instagramの投稿データを収集したところ、1年間で約1万件の投稿があることが確認されました。その投稿の月別推移をみると、年2回、5月と8月に投稿量のピークがみられ、ゴールデンウィークや夏季休暇の大型連休に多くの人が五島列島を訪れ、体験をシェアしていることが確認されました。

そして、この月別のトレンドは、実際の観光客数のトレンドと極めて近しい形であることが確認されました(相関係数=0.94)。このことから、Instagramは観光客の体験、その中でも“驚きや感動体験”がギュッと濃縮されている事が期待できます。


外国人は来島のピークが異なる

Instagramの月別の投稿トレンドを言語別に見ると、日本語(ja)と中国語(zh)では投稿のピークに違いがみられました。

日本語(ja)は年2回、5月と8月に大きなピークがみられます。一方で中国語(zh)は年3回のピークがあり、日本語同様に5月と8月に加えて、11月にも投稿のピークが形成されています。

Instagramは中国本土では使用できないため、中国語(zh)は台湾や香港(2019年時点)からの旅行者が中心であると推察されます。実際に、五島市の国・地域別宿泊客数(2019年)では、アジア圏の中では韓国に次いで、香港、台湾からの観光客が多いことが確認されています。

中国語(zh)での投稿数は1年間で475件ですので可能性の域を出ませんが、11月には10月の国慶節の休日とは異なる、アジア圏から五島列島への旅行需要がある可能性が窺えます。


Instagram投稿から見えてきた”驚き”・”感動”体験

Instagramの投稿の画像には多くの#タグが付けられています。「#五島列島」と併用される形で画像に付けられている#タグを分析することで、五島列島の“どの様なモノ・コト”に高い関心を持ったのかを探ることができます。

下表が実際に#タグの出現頻度を集計した結果になります。


「#五島列島」と併用されているInstagramタグランキング TOP20

全3万件強の#タグが付けられていますが、出現数のランキングから、五島列島への関心ごとをみると、
・「世界遺産」
・「五島うどん」
・「釣り」
・「海水浴場」
・「教会」

という五島列島の名所・名産・人気アクティビティが上位(TOP20以内)にみられており、五島市が発信している島々の魅力が来島者に伝わり、高い関心を持たれている様子が窺えます。


さらに、21位以降の#タグもみていきますと、様々な島の名産品・グルメやご当地キャラクターである「つばきねこ」に加えて、旅のスタイル景観・景色に関するタグが散見されます。

これらのことから、観光客は、五島列島の名所・名産などの”モノ”に加えて、「島旅」・「一人旅」・「女子旅」などの旅のスタイルや「絶景」・「夕日」・「田舎」などの景色・景観への感動、釣りを代表するアクティビティという“コト=体験”を満喫している様子が窺えます。




次のページでは、Instagram分析で明らかになった顧客の体験価値を、WEBサイトの訴求強化に活かすための視点と具体的なイメージをご紹介します。


→ つづきはコチラから
(「観光客の注目ポイント、感動体験をホームページの訴求強化に活かす」)




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Mikio Aaskawa

マーケティングエージェンシーや制作会社にて各種リサーチ・分析業務を経験した後、2009年よりD4DRのシニアアナリストとして、データドリブンのマーケティング支援に従事。現在はプリンシパルとなりプロジェクトリーダー兼アナリストとして、顧客視点で企業のマーケティング戦略立案や課題抽出、アクションプラン立案を支援している。

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