BtoBマーケティングとは?重要なことはBtoCと同じである
BtoBマーケティングとは、顧客企業に法人向け商材を買ってもらい、使い続けてもらうために行う一連の活動です。
マーケティングというとBtoCのマーケティングを思い浮かべる方が多いかと思います。本記事では、BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いにも触れながらBtoBマーケティングの重要性、手法等を解説していきます。

BtoBマーケティングを取り巻く環境の変遷
インターネットの普及以前は、企業は購入する際のリスクを低減させるため、過去の利用経験に基づく商品知識や企業間の信頼関係に基づき商品やサービスを購入していました。もちろん、インターネットが普及した現在でも担当者の利用経験や企業間の信頼関係は重視されます。しかしながら、情報の非対称性の緩和により、買い手側企業が得られる情報は圧倒的に多くなり、より性能の高い商品やより安価な商品を見つけ出すことが可能になりました。
買い手側企業が得られる情報が多くなったことで、「新規顧客獲得の可能性」と「既存顧客の囲い込み難化」が同時に起こりました。
新規顧客を獲得するために重要になってくるのは、「顧客にとって本当に価値のある商品・サービス」と「自社商材に価値を見出す可能性のある顧客へアプローチすること」です。
そのため、自社商材に価値を見出す企業はどのような企業か、そもそも自社商材の価値とはどこにあるのか、などのマーケティング調査やコンテンツマーケティングやデジタルデータを活用したデジタルマーケティングが重要になります。
既存顧客に商品やサービスを長期間購入・利用してもらうために重要になってくるのは、顧客の満足度を高い状態で保つことです。
近年、サブスクリプション(定額制)がBtoB、BtoC問わず流行しつつありますが、あれも既存顧客に長期間サービスを利用してもらうための一つの施策です。
ここで勘違いしてはいけないことがあります。それは、サブスクリプションはマーケティング施策であり、マーケティング戦略ではないということです。明確な戦略なしにサブスクリプション等の流行施策を取り入れようとしていては成功の確率が大きく下がってしまうでしょう。
次章では、戦略と施策の違いについて解説していきます。
マーケティング戦略とマーケティング施策の違い
戦略とは、ある目的を達成するための方向性であり、施策とはその方向に進めための手段(アクション)です。ですから、極端な話ではありますが、ある方向に進めための施策は何回失敗してもどうにかなりますが、戦略を間違えてしまう、もしくは立てないで行動すると収集がつかない事態に陥ってしまいます。
例えば、アイドルタイム(施設が稼働せず労働力が空費されている時間)の客数が少ないことが課題でA居酒屋があるとします。A居酒屋の目的はアイドルタイムの削減であり、戦略はアイドルタイムの顧客を増加させることで営業利益を増加させることと設定したと仮定すると、「アイドルタイムの顧客を増加させる」という戦略を実現するために、「月額5,000円で15:00~18:00までの間なら何回でも飲み放題サービスを無料で提供」といった施策を打つことができます。もし、このサブスクリプションサービスが失敗したとしても、他の施策でアイドルタイムの顧客を増加を実現できればマーケティングが成功したといえるでしょう。
しかし、A居酒屋はサラリーマン街にあり、アイドルタイムに店を開いても来れる顧客自体いなかった場合、「アイドルタイムの顧客増加による営業利益増加」という戦略自体が間違っている可能性があり、その戦略を遂行するために様々な施策を打ってもなんの効果もでないでしょう。
これらの例からも戦略が重要であり、戦略を導出するためには、自社や市場、顧客などの様々な調査が必要なことがわかるのではないでしょうか。
わかりやすくするため飲食店というBtoCの例を出しましたが、戦略や施策の考え方はBtoBも同様です。
次章では、具体的にBtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違いについて解説していきます。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いを考える際に重要になるのは、顧客の購買行動・心理です。BtoBの顧客購買行動・心理とBtoCの顧客購買行動・心理の違いを一言で表すと、「合理的」か「感情的」かです。
もちろん、BtoBの場合も購入するのは人であるため、全てが合理的ではなく感情的な部分もありますが、BtoCの場合と比較すると圧倒的に合理的といえるでしょう。反対に、BtoCの場合も全てが感情的ではなく、合理的な部分もありますが、BtoBの場合と比較すると感情的です。
BtoB、BtoC問わず、自社商品・サービスを買ってもらうときに重要になるのは顧客の「合理性」と「感情性」の配分を的確に見極めることです。そのためには、顧客分析やCRMなどが重要になりますが、本記事の趣旨とは少々ずれるため省略します。
では、BtoBの顧客購買行動とBtoCの顧客購買行動の違いについて複数の視点でみていきます。
購入・利用に関わる人数
BtoCの場合
- 購入者と利用者は基本的に同じ
- 情報収集や検討、決済等の購入に関する行動も基本一人
BtoBの場合
- 購入者と利用者が異なる場合が多々ある
- 商品の金額にもよるが、購入確定までに様々な人・部署が関わる
情報収集方法
BtoCの場合
- Web検索
- SNS
- 各種広告(オフライン・オンライン)
BtoBの場合
- Web検索
- SNS
- 各種広告(オンライン・オフライン)
- 展示会
- セミナー
検討期間
BtoCの場合
商材にもよるが、短い
BtoBの場合
一定の金額以上になると長い
BtoBマーケティングの全体像

上の図は、BtoBマーケティングの全体像です。前述したように、重要なのはマーケティング戦略であり、戦略を正しく導くために行う調査です。
BtoBマーケティングの全体像はBtoCとほとんど変わらなく、変わる部分は施策部分です。そもそもBtoBとBtoCの違いは、顧客が企業か生活者であるかであるため、しっかりした顧客調査・分析を戦略策定前に行っていればBtoCマーケティングとほとんど変わることはないのです。
D4DRでは、BtoBマーケティングに関する記事を定期的に発信していきます。本記事は、BtoBマーケティングの全体像、特に戦略の重要性について解説しました。次回以降はデジタルマーケティングや各種施策、リード獲得フェーズなど具体的な施策、手法について解説していく予定です。

Sho Sato

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