非効率性と遊びの価値の追求とは?
予想される未来社会の変化
- 「非効率性と遊びの価値の追求」とは、無駄とされるものや、あえて機械を使わず手間をかけることが付加価値になるということである。例えば、カフェでコーヒーを豆から淹れる体験ができたり、敢えて手作りであることがブランディングになっている。
- 「丁寧な暮らし」という言葉も広く使われているように、家事や生活にまつわる一つひとつに手間や時間をかけて、丁寧に向き合う暮らしが良しとされている。
- モノ消費からコト消費へとトレンドが移行し、その商品を所有すること、サービスを利用することによって得られる経験や体験が重視されている。
- 更にはコト消費からトキ消費へと移行しており、「今そこでしか体験できない」トキの過ごし方を楽しむことに価値を見出す傾向となっている。また、Z世代はイミ・エモ消費が増加しており、モノに対して目には見えない価値を求める世の中にシフトしている。
トレンド
SLOWLY

SLOWLYは、即時返信が当たり前の現代のメッセージング文化に一線を画し、「手紙という時間をかけたコミュニケーション」をスマートフォンで実現するSNSアプリ。実際のペンパルとの距離に応じて、手紙の配達にも時間がかかる設計になっている。
共通の趣味や関心をもとに世界中のペンパルとマッチングし、切手を貼って「配達に時間のかかる手紙」を交わすことで、待つこと・時間を掛けることそのものが体験価値となる。
配達時間を待つ間に書き直したり想像を膨らませたりする行為が、効率だけを重視するデジタル時代には希少な「遊び」の時間を生み出している。
さらに、切手コレクションというゲーム性も加わることで、目的=速く大量にやりとりするのではなく、「選び」「集め」「記憶に残す」というスロウで余白ある体験が享受される。
ぼーっとする大会

VISが主催する「ぼーっとする大会」は、「情報が溢れてスマホやSNSに心を奪われがちな現代社会において、“何もしない”ことを競う」というユニークな趣向を持っている。
参加者は90分間、ただ静かに「ぼーっと」過ごし、スマホチェック・雑談・笑いなど“何もしないでいない”行為を減点対象とする。芸術点(観客投票)と技術点(心拍数の変化)で評価され、「ぼーっとしている風」を視覚的・生理的に表現できるかが勝負となる。観客もその様子を見守りながら、自らも日常における“余白”の大切さを体感する。
この大会を通して、情報が絶えず押し寄せる現代社会においては頭と心をリセットし“無”の時間を体験することで、自分の内側と向き合うきっかけを作り、社会全体に“余白の重要性”を再認識させるメッセージ性を高めている。
Light Phone III

Light Phoneの「Light Phone III」は、“つながりすぎた日常”からの解放をテーマに、極めてシンプルな機能設計を追求したスマートフォンとなっている。
アプリストアへのアクセスやSNSの通知といった“無駄”を徹底的に排し、電話・カレンダー・地図・音楽など最低限のユーティリティに絞ることで、「四六時中繋がっていなければならない」という働き方や生活習慣に一石を投じている。
ハードウェア面では、前モデルのE Inkから反応速度の速いOLEDディスプレイへと進化し、操作性や質感も向上。
一方で価格は高めに設定されており、価格が599ドル(約9万円相当)と新型iPhoneとほぼ同価格帯のため、懐疑的な見方も存在する。