シンクタンクFPRC マーケティング 事例からみるカスタマージャーニーマップの作り方
事例からみるカスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップの作成に取り掛かろうとしたものの、どうしたら良いのか分からないという方向けに、ここでは、カスタマージャーニーマップがどのような企業で、どのような目的の下で作成されているのか、実際の事例をもとに作り方の手順を紹介していきます。併せて、課題解決に向けたアプローチの仕方についても整理していきます。

家電メーカーのカスタマージャーニーマップ作成事例から作り方を解説

■概要

大手家電メーカーの案件で、オンラインメディアを活用した顧客のエンゲージメント獲得と、オンラインとオフラインのコミュニケーションの最適化を目的として、カスタマージャーニーマップの策定を行った。

■背景と課題

・家電製品が業界全体でコモディティ化しており、競合との差別化が難しくなっている。また、Amazonの低価格に打ち勝つため、価格競争が激化する中、顧客との継続的なコミュニケーションによる商品の付加価値訴求ができていない。

・スマホ普及に伴う消費者の情報収集・購買チャネルが複雑化し、顧客が、どこで商品を認知し、どこで商品を探し、結果どこで商品を購入しているのといった行動を把握できていない。

・オウンドメディア、ECサイトを運営しているものの、メディアごとの位置づけが整理されておらず、メッセージやメディア間の動線がバラバラ。

■取組の流れ 

1.調査分析(アンケート調査、オウンドメディアのログ分析)

・アンケート調査は、メーカーおよび競合客の、オンライン/オフライン両方の接触チャネルや、検討時間、意識や価値観などを広く調査。

・ログ分析は、オウンドメディア上の人気コンテンツ、ECサイトへの動線上のボトルネック、セグメント別の行動傾向の違いを明らかにするために実施。

・アンケートとログ調査を同一サンプルに対して実施することで、2つの調査結果の紐づけを行う。

2.行動セグメント分析

検討時間と接触チャネルの軸でセグメントを分類

「オフライン中心で検討時間の短い直感購入型セグメント」「オンラインで自分に合ったものを合理的に見つけ出す機能重視型セグメント」「オンライン/オフライン併用でじっくり比較検討する製品ストーリー重視セグメント」などに分類された。

3.カスタマージャーニーマップ作成

行動セグメント別のカスタマージャーニーマップ作成することで、それぞれの購買に貢献しやすいメディア、コンテンツの洗出しや、それぞれのボトルネックとなりやすいポイントを整理。

4.施策(一部紹介)

・オウンドメディアのコンテンツ改善

オンラインで白物家電購入する顧客の中に「家電を買ってもそもそも家事のスキルが乏しく使いこなせない」といった一人暮らし初心者が多く存在することがアンケートとECの購買データを紐づけることで明らかになった。そのため、製品の機能ではなく、『暮らしのコツ』を切り口にしてその中でおすすめの製品を紹介。コンテンツ上で紹介した商品ページへの遷移率・CVR(購入)向上に寄与した。

・CVまでの動線の最適化
広告、SNS、比較サイトからオウンドメディアやECサイトへの動線、ECサイト内のCVまでの動線と投資配分を、顧客の行動特性に沿って再設計。

■結果

・重点セグメントの選定、個別施策の策定、メディア間の動線の最適化により、オウンドメディアおよぼECサイトの流入数増、ECサイトのCVR向上。

・顧客視点、データドリブンマーケティングのノウハウの獲得

今後IoTが普及すると、センサーにより取得できるデータから顧客の製品の体験の把握が可能になります。

IoTの開発→体験データの分析/可視化→コミュニケーションの最適化、製品開発

といったサイクルを回すことで、顧客とのエンゲージメントを深めていくことが可能になります。
そうなると、メーカーにとって、従来の機能に加え、サービス業的な視点で顧客の体験を向上させていくことが、事業成長の鍵となると言えます。

ここまででご紹介したカスタマージャーニーの取り組みは、データドリブンで顧客体験を最適化していくノウハウを蓄積し、メーカーのサービス業化の波に備える取った意味でも、重要なステップであったと言えるでしょう。

カスタマージャーニーマップと相性の良い事業や商品は?

上記のような質問をお客様から頂くことが多々ありますが、
こちらは正確な答えというものではなく、事業者も各ベンダーも試行錯誤を重ねている段階です。
以下は、D4DRの経験則ではありますが、カスタマージャーニーマップの作成が必要とされやすい/有効だと言えるケースです。ご参考になればと思います。

1.商品(サービス)の購入までの顧客の検討時間が長い
→家電、自動車などの耐久消費財など

2.商品(サービス)の購入までに顧客が接触するチャネルが豊富
→1とほぼ同義ですが、チャネルが増え動線が複雑になるほど行動把握や、施策の一貫性を保つのが難しくなります

3.商品(サービス)の購入にブランドコミットメントが影響しやすい
→化粧品、アパレルなど
→ブランドを好きになってもらうためには、顧客との関係性を一定の時間軸で捉え、関係性変化のストーリーを設計しておく必要があります

4.商品(サービス)の購入チャネルがオンライン
→EC、人材など
→オンラインでは行動データを精緻に分析がしやすいため、カスタマージャーニーをより正確に可視化するという意味で当てはまります
しかし、オフラインの行動もアンケートや購買データ、位置情報などを掛け合わせることで可視化できますので、一概には言えません。

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D4DRの広報PR担当です。webやソーシャルメディアを通じて、ITビジネス、デジタルマーケティング、各種データ分析、CRM、ソーシャルメディア分析などの消費者インサイト発見に関する情報を発信しています。

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