現場スタッフの行動データに基づくプラットフォームで業務を改善!

企業でのデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが進み、あらゆる物事がデジタル化されるようになってきています。そして、そこから得られる大量のデータをインプットとして、AI(人工知能)が急速に進化する中で、「人の価値」を改めて見直す時代になっています。

本稿では、デジタル化が進む時代の中でも求められる人の価値=「現場スタッフの対応力」に着目し、企業がスタッフ対応力を強化するポイントを、コンサルティング会社としての視点で簡潔に取り上げています。

今こそ現場スタッフの対応力が求められている!

EC化が進んでいると言われているBtoC市場ですが、実際のところ消費の94%はリアル店舗で行われており、現場スタッフの対応が重要である状況に変わりはありません。同様にBtoB市場でもEC化率が進んでいるとはいえ、70%がリアルの場で行われている状況です。

(出所:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」2018年度、※非EC化率はEC化率から逆算した値)

また、消費シーンやビジネスシーンにおいて、あらゆるプロセスがデジタル化するなかでも、顧客の意思決定や関係性強化においては現場スタッフの対応力が大きな影響を持ち続けています。
現場スタッフの対応一つで、自社に対する顧客の信頼感や満足度といった顧客体験が大きく変わってきてしまいます。つまり、自社の顧客となり、継続的な関係を築くことができるかどうかは、現場スタッフの対応にかかっているといっても過言ではありません。

顧客体験価値の向上がビジネスの成功に直結する今こそ、現場スタッフの対応力強化が求められています。

スタッフ育成は課題山積

しかしながら、日々の業務を行う中でのスタッフ育成は思うようにできないのが現実です。

特に、飲食を中心としたサービス業や小売業は大卒就職者の3年以内離職率が40〜50%と流動性が高く、いかに効率良くスタッフ育成を行うかが課題になっています。

▽スタッフ育成の課題(一例)

-スタッフ間でいかにスキル格差を無くしていくか
-日々の業務をこなす中でノウハウ共有する時間をいかに作るか
-机上の理論ではなく、日々変化する実践的な対応方法をどのように行うか
-成果に結びつくスタッフ育成方法をどうしたら発見してパターン化できるか
-スタッフ育成のコストパフォーマンスをいかに高めていくか

店舗来店客への応対、バックヤードスタッフのオペレーション業務、メンテナンススタッフの現場対応、セールスパーソンの商談など、ビジネスに関わるシーンごとで様々な課題が挙げられています。

デジタル活用で現場スタッフの応対スキルを向上できる!

これらの課題を解決する方法がデジタルを活用した現場スタッフの育成です。このデジタル活用のポイントは3つあります。

動画活用で学習効果が向上

動画活用は2社に1社が「今後増えると思う」と認識しています。

▼動画活用の実態と今後の期待

(出所:Jストリーム調査結果「動画活用の実態と今後の期待」)

その効果としては次の様な声が挙がっています。

・1位:わかりやすい
・2位:正確に情報が伝わる
・3位:記憶に残る

動画を活用することで、文章やイラストだけでは伝え切れない現場での対応方法を的確に伝えることができるという点が評価されています。

その他にも、

・4位:すき間時間を有効活用できる
・5位:時間を短縮できる

という学習や業務効率を高めることができたり、

・9位:印刷物を減らせる

というコスト削減効果を実感している企業もみられています。

(出所:Jストリーム調査結果)

現場でのBYODによるスマホ活用

動画活用の今後の要望点として、「スマホで視聴できる」事が挙げられています。
スタッフが常に持ち歩いているスマートフォンを利用し、スタッフの自由なロケーション、タイミングで手軽に学習できる環境を整えることで、学習機会が増える事が期待できます。

(出所:Jストリーム調べ「動画活用の実態と今後の期待」)

また、学習だけではなく、コミュニケーションや共有機能を搭載することで、現場スタッフからのヘルプに対して、タイムリーに的確な対応方法を伝える事ができるようにします。

「動画マニュアル」活用によるスタッフ応対向上のPDCAイメージ

学習データ活用

動画ごとの視聴履歴評価データを活用することで、スタッフが学びやすい動画へとアップデートすることができます。

さらに、スタッフごとの学習履歴と業務実績データの関連性を分析することで、成果につながる学習パターンの発見業務プロセスの改善を行うことができるようになります。

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Mikio Aaskawa

マーケティングエージェンシーや制作会社にて各種リサーチ・分析業務を経験した後、2009年よりD4DRのシニアアナリストとして、データドリブンのマーケティング支援に従事。現在はプリンシパルとなりプロジェクトリーダー兼アナリストとして、顧客視点で企業のマーケティング戦略立案や課題抽出、アクションプラン立案を支援している。

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