c-37 : メタ観光(ツーリズムの多元化)

予想される社会的な影響

・VR、XRなどの技術の進化により、多様な形態での観光体験が可能になる

・XR等を活用した高品質な遠隔でのリアルタイム体験、アバターを利用した自由な散策、収録した高品位コンテンツによる観光体験、実際とデジタルコンテンツを組み合わせた体験、等多様な形態での観光体験が提供される

・事前の遠隔・疑似体験を経て、実際に訪問をするといった複合的な体験のスタイルが増加する

・観光地がデジタルコンテンツとしての適正を高めるための環境整備を行うことが一般化する

背景・理由・事例

・観光には、農山漁村に滞在する「グリーンツーリズム」、災害や戦争などが起きた場所を訪れ負の歴史をたどる「ダークツーリズム」、映画やアニメなどの舞台を訪問する「コンテンツツーリズム」など様々な形態が存在。
「メタ観光」は位置情報を活用することで、複数の形態の観光に伴う魅力や価値を、重層的に体験してもらう観光を指している。
玉置泰紀氏は、メタ観光の実践例としてNHKのテレビ番組「ブラタモリ」を挙げている。ブラタモリでは、地学や歴史のレクチャーと観光を組み合わせており、その地域への理解や愛着が深まるなど、被観光者の体験価値が高まる効果が見込める

・一般社団法人メタ観光推進機構は、メタ観光の定義を「GPSおよびGISにより位置情報を活用し、ある場所が本来有していた歴史的・文化的文脈に加え、複数のメタレベル情報をICTにより付与することで、多層的な観光的価値や魅力を一体的に運用する観光」としている

・同機構は、複数のレイヤーをまたがる「多層的な観光価値・魅力を一体的に運用する」ためには、口コミサイトやアプリなどを使って複数レイヤーを束ねる、プラットフォーマーの役割を果たすアクターが、新たに観光業に参入する必要があると指摘している

・仮想空間やデジタルコンテンツを活用した「バーチャルツーリズム」も拡大。
ゲームとバーチャルツーリズムの融合である「ゲーミングツーリズム」も注目を集めるなど、多様化している

・DMO(観光地経営組織)の秋田犬ツーリズムは、ウェブマーケティング会社のスリーと連携し、観光施設の3DVR映像をインターネット上で公開した。
建物内部を立体的・高精細な映像として提供することにより、臨場感をもって見学することができる。6月中旬には北秋田市阿仁異人館と康楽館を追加。新型コロナウイルス収束後の誘致につなげる取り組みとなっている

・VRトラベルコンテンツ会社Ascapeのアプリダウンロード数は、昨年に比べて60%増加。ウェブサイトやyoutubeを活用したVRトラベルコンテンツも拡充し、旅行を疑似体験できるシステムを導入している

 

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