サービスロボット(自律型ロボット)とは?
サービスロボット(自律型ロボット)とは、人間が制御する必要がなく、自分自身で周囲の環境を認識し、人間の代わりに様々なサービスを提供するロボットのことである。
サービスロボットは、周囲の環境を認識するために、センサー、カメラなどのセンシング技術を搭載している。また、人工知能や機械学習の技術を利用して、自らの行動を最適化することができる。サービスロボットを活用することで、高齢化社会や労働力不足などの社会問題の解決に貢献することが期待されている。しかし、サービスロボットの技術はまだ発展途上であり、安全性やプライバシー保護などの課題が残っている。
サービスロボットには、以下のような種類がある。
種類 | 役割 |
---|---|
移動ロボット | 自律的に移動することができるロボット 例)自律型配達ロボット、自律型掃除ロボット |
認識・制御ロボット | 周囲の環境を認識し、自律的に行動を制御することができるロボット 例)自律型工場内運搬ロボット、自律型車両 |
人型ロボット | 人間に近い形状を持ち、自律的に行動を制御することができるロボット 例)ASIMO、Pepper |
ドローン | 空中を自律的に飛行することができるロボット 例)撮影用のドローン、物流用のドローン |
農業用ロボット | 農作業を自律的に行うことができるロボット 例)稲刈り用の自律型ロボット、野菜収穫用の自律型ロボット |
介護用ロボット | 高齢者や障がい者の介護を支援するために自律的に行動するロボット。 例)移動を補助するためのロボットスーツ、入浴支援ロボット |
セキュリティロボット | 建物や施設などのセキュリティを自律的に守るためのロボット 例)監視カメラと連携して自動で巡回するセキュリティロボット |
このように、サービスロボットにも様々な種類があり、それぞれ異なる用途で活用されている。人間の代替としてだけでなく、人間の生活や社会を支援することを目的として、社会に貢献している。
予想される未来社会の変化
- 労働力不足が緩和され、特に介護や小売などのサービス業界の人手不足問題が解消される
- 危険な作業や単純作業がロボットに代替され、人間の労働環境が改善される
- 宇宙、海洋など、フロンティアの開発が進展する
- 自律化したロボットとの共存に伴い、新たな倫理規範や法整備が必要となる
トレンド
「山岳トンネル観測ソリューション」SpiralEyes

Spiralは、建設現場作業員のみで運用可能な「山岳トンネル観測ソリューション」SpiralEyesを2025年2月18日より日本と欧州で販売開始。
このシステムは、GNSS(⼈⼯衛星を⽤いて位置を⾼精度に計測できるシステム)環境がなくても自律飛行可能なドローンとAIによる画像解析を組み合わせ、作業時間を最大86%削減する。
独自開発の自律飛行システム「MarkFlex®Air」を採用し、ARマーカーを用いた飛行プラン設定により、専門知識がなくても運用可能。また、障害物回避機能を搭載し、安全性を確保している。
サービスは月額サブスクリプション形式で、24時間監視のHawkEye、切羽観察のKirihaEye、3次元点群データによる出来形検測のScanEyeの3種類を提供。
欧州ではオーストリアに現地法人を設立し、地下鉄トンネルでの実証実験も実施。今後、2025年9月末までに日本国内の4つの山岳トンネル現場での導入が予定されており、さらなる展開が期待されている。
自律搬送ロボット「カチャカ」を用いたオフィス向けロボット活用の実証実験

GMO AI&ロボティクス商事とPreferred Roboticsは、2025年3月17日より、GMOインターネットグループの渋谷オフィスにおいて、自律搬送ロボット「カチャカ」を活用した実証実験を開始。
この実験では、カチャカに専用シェルフを装着し、コーヒーマシンを搭載することで、オフィス内を移動しながらコーヒーを提供する。
実験は2つのフェーズに分かれており、Phase 1(2025年2月17日~3月16日)では固定式のコーヒー提供、Phase 2(3月17日~4月16日)では移動式の提供を行い、それぞれの消費量を比較・検証。
カチャカは、AI技術を搭載した自律搬送ロボットで、専用のキャスター付き家具とドッキングし、指定の場所まで物を運ぶことが可能。
この取り組みにより、オフィス環境における移動式飲料提供の有用性を検証し、ロボット技術の社会実装を加速させることを目指している。今後、実証実験の結果を踏まえ、全国のオフィスへの展開や、ロボットの機能拡充、オフィス以外の領域での活用モデルの開発を進める予定。
搬送用自律移動ロボット「Mighty-D4」が公道20Kmを約5時間でノートラブル・ノーメンテナンスで完走

Piezo Sonicは、2025年2月28日から3月2日にかけて熊本県八代市で開催された「第30回 九州国際スリーデーマーチ2025」において、同社の自律移動ロボット「Mighty-D4」を一般参加枠で出走させ、世界で初めて公道20kmを約5時間でノートラブル・ノーメンテナンスで完走した。
このロボットは、月面探査技術を応用し、最大12cmの段差を乗り越える能力を持ち、砂利道や歩道と車道の境界などの凹凸のある地形も安定して走破する。
カメラとLiDARを搭載し、自動走行や人の追従走行が可能で、非接触・非対面の物流を実現。
今後は、工場やプラントでの搬送・検査業務への応用が期待されている。
四足歩行ロボ「Spot(スポット)」、林業における活用に向けた実証実験

森林研究・整備機構 森林総合研究所とソフトバンクは、茨城県つくば市にある森林総合研究所の模擬試験場で、林業における電動ロボットの活用に向けたロボットのデモを行なった。ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」と、米国Boston Dynamicsの四足歩行ロボット「Spot(スポット)」を用いて、人工林のなかでの自律移動・監視・点検、運搬能力などを検証する。
林業事業者の高齢化や担い手不足などの課題をカイケルするために、サービスロボットなどの技術を用いて2050年の完全自動化に向けて「スマート林業」の早期実現を目指す。
東京駅前の商業施設「KITTE」にて警備ロボットの実証実験

SEQSENSE株式会社は、JPタワー商業施設「KITTE」(キッテ)にて自律移動型警備ロボット『SQ-2(エスキューツー)』を用いた実証実験を2021年5月24日~6月30日まで実施。
コロナ禍の影響もあり、警備業界の2020年12月時点の有効求人倍率は6.82倍と人材獲得が難しい状況となっている。自律移動型の警備ロボットである『SQ-2』は、3次元センサ技術・自己位置推定・リアルタイム経路計画など高度なテクノロジーで、周囲の環境を認識し、安定した移動を可能としている。人手不足が深刻な警備業界において、各種警備業務の労力削減を実現するロボットとして期待が寄せられる。
新型コロナウイルス対策ロボット「PATORO(パトロ)」

無人警備・消毒ロボPATORO(パトロ) 消毒剤散布搭載モデル」
ZMPは新型コロナウイルス対策ロボットとして自動運転が可能な無人警備・消毒ロボットPATORO(パトロ)に、電動噴霧器を搭載したモデルを発表した。パトロは、走行中任意な場所での消毒剤の噴霧を行い屋内・屋外の消毒が必要な場所へ無人で消毒作業を行なうことができる。
自己位置の認識機能やカメラ等のセンサー情報を組み合わせることで、適切な場所で消毒液を噴霧し、手すりやエレベーターのボタンなど手の触れることの多い設備や、スーパーや病院といった人が往来する屋内の巡回消毒をパトロが行なう。感染危険地域でのリスクや人員不足、作業者を介してのさらなる感染などの低減に貢献する。
鹿島、ダムのコンクリート打設で、一連の型枠作業を全自動化するシステムを開発

鹿島はダムのコンクリート型枠作業を全自動化するシステムを開発した。作業員は、タブレット端末から指示するだけで完了する。従来工法では、 型枠をクレーンで吊って移動させるなどしていたが、作業員が墜落したり、ダンプトラックとクレーンが交錯したりする危険があった。
作業の危険性を回避しながら、作業効率化を実現し、所要人数は、5人から1人になる。また、作業時間は280分から180分と短縮を実現。複数の現場で適用すれば、型枠を再利用するなどして従来工法に比べて大幅にコストを削減できる見込みである。
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