c-44 : 宇宙ビジネスの市場拡大

予想される社会的な影響

・民間参入による大幅なコストダウンにより宇宙開発プラットフォーム的なサービスが形成される

・プラットフォーム上に実装可能な多様な機能やサービスが実装され、商用サービスも多数登場する

・通信、観測、エネルギー生成、観光、デブリ清掃

・宇宙開発のローコスト化を背景に、希少資源などの開発競争も激化する

・関連技術と周辺産業が一挙に活性化する(通信、無人操縦、ロボット、高性能電池、センシング、酸素生成、水生成、等)

背景・理由・事例

・世界の宇宙ビジネスの市場規模は、2007年には約19兆円、2016年には約36兆円で、10年間で約2倍に拡大した。その間、日本の市場規模は約10兆円でほぼ横ばいであった。日本の宇宙ビジネスの市場規模は2016年に約8.9兆円であったが、2050年には約59.3兆円まで拡大すると予測されている

・宇宙ビジネスは、「製造・インフラ」「宇宙利用」「宇宙探査」の3分野に分けられるとされるが、技術革新により分野の細分化も見込まれる

・宇宙産業は、従来は民間企業が公的事業として、公的機関(主に国)から受託する産業モデルが一般的であった。
近年はベンチャー企業や異業種の参入が進んでおり、民間企業によるサービスや事業分野が拡大しており、市場はますます拡大していくことが予測される

・製造・インフラ分野では、ロケット・衛星の製造・打ち上げ関連事業者、人工衛星データや衛星通信を提供する事業者、それらのデータを活用した位置情報サービス、画像サービス、通信サービス等を提供する事業者が含まれる

・宇宙探査分野は、無人宇宙探査と有人宇宙探査に分けられる。前者には探査機・ロケットの製造・打ち上げ関連と、惑星探査等が挙げられる
後者には有人ロケット打ち上げの他、宇宙旅行や宇宙ホテルなど宇宙空間に人が滞在するサービス等が考えられる

・技術革新による小型衛星の高性能化・低コスト化、ロケット打上げのコスト低減が進んでおり、宇宙旅行等のコモディティ化が期待されている

・世界の15宇宙機関からなる国際宇宙探査協働グループ(ISECG)は、「国際宇宙探査 ロードマップ」を発表している

・「宇宙利用」分野には、人工衛星あるいは宇宙空間を利用した様々なサービスが含まれる。関連分野は物流、森林・農作物管理、IoT・通信、建築・不動産など多岐にわたる

・近年は衛星から得られるデータの質・量が向上し、宇宙データの分析・活用が進展。宇宙データと地上データの結合や、AI等を利用した解析などによる新しい価値・サービスの創出が期待される

・総務省が2019年に発表した「宙を拓くタスクフォース報告書(案)」では、2030年代以降に宇宙利用において目指すべき将来像として、ネットワーク基盤の宇宙への拡大、衛星データの活用(災害データなど)、人類の活動領域の拡大、宇宙レジャーの4点を挙げている。
なお、ネットワーク基盤の拡大と衛星データの活用には、すでに多くのプレイヤーが参入している

・近年、NTTグループが宇宙ビジネスに本格参入の動きを見せている。2021年5月にはスカパーJSATと業務提携契約を締結し、宇宙空間にICT基盤の「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」を構築すると発表。

 

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