アバターロボットとは?
アバターロボットとは、人間が遠隔地にいるロボットを操作し、現地に存在するかのような体験ができるテレプレゼンス技術が組み合わさったロボットのことである。
アバターロボットにはカメラやマイク、スピーカー、センサーが搭載されている。遠隔地で操作する人間は、インターネットでロボットに接続し、カメラやマイクを通じて、遠隔地の場所を見たり、聞いたりすることができる。また、ロボットには、操作者が制御するためのボタンやジョイスティックがあり、これを使ってロボットを動かしたり、操作したりすることができる。
アバターロボットは、様々な分野で活用が想定される。例えば、医療分野では、手術を行う医師が、手術室にいなくても手術を行うことができる。また、災害現場での救助活動や、遠隔地にある施設の点検などにも使われている。さらに、遠隔授業やビデオ会議など、ビジネスや教育分野でも利用されている。
アバターロボットは、物理的な距離を超えて、人と人との交流を可能にする革新的な技術であり、今後ますます普及することが期待されている。
予想される未来社会の変化
- 人間の移動の必然性が薄れ、交通の在り方が問われる。
- 味覚、嗅覚を加えた五感すべての再現が可能となり、よりリアルな体験ができる。
- アバターロボットを介して、旅行や競技などが実施される。
- アバターロボットによる擬似的な出勤や視察が一般化する。
- 技能専門家(料理人など)が移動せずにスキルを発揮できる。
トレンド
外出困難な人が従業員として働く分身ロボットカフェ

2021年6月に東京・日本橋にオープンした分身カフェ。難病や重い障がい、家庭の事情などで外出できない人たちが、自宅から分身ロボットを遠隔操作して接客するカフェである。運営元であるオリィ研究所が開発した分身ロボット『OriHime』&『OriHime-D』を活用して、接客を行なっている。
現在、60名を超えるメンバーが日本国内外から勤務している。2023年2月には、札幌に期間限定で開店するなど拠点を広げるなど、遠隔就労で新しい社会参画の形を実現している。
アバターロボットを活用して学校に登校

ベネッセこども基金とニューメディア開発協会は、2022年度の共同プロジェクトとして「病気療養の子どもがアバターロボットで学校生活に参加し『笑顔』になる。学び、体験のモデル拠点校支援事業」を実施することを発表。
ベネッセこども基金は2016年から病室や院内学級と前籍校をICTでつなぎ、OriHimeを経由して授業参加や友だちとの交流ができるモデルづくりを実施。5年の実証実験を経て、2021年4月からは東京都の特別支援学校5校にてOriHimeを活用した学習モデルが導入されている。
病気療養などで登校が難しく、学校や友だちから疎外感や取り残される焦燥感から休学や退学を選択する子どもたちの課題を解消する一つの手段として期待される。
遠隔地の観戦会場に競技会場の空間を伝送する技術「Kirari!」

Kirari(NTTグループが開発)は競技場やライブ空間を丸ごと伝送、再現することを目指している。競技会場で起きているリアルを、別の会場で丸ごと再現するために、それぞれの競技の特性や競技空間のスケール、伝送先の会場の環境など、様々な条件に合った最適な手法を選択し、「映像」と「音響」を空間レベルで正確に再現する。この手法により、遠隔地にいる観戦者も、目の前で繰り広げられる競技をリアルに体験することができる。
札幌で開催されたマラソンでは、NTT の超低遅延通信技術を駆使し、東京にいる観戦者が、あたかも選手が走っている沿道で応援しているかのような空間を実現。未来の新しい観戦体験が生まれている。
人型ロボット「Atlas」、建設現場での荷物の運搬をサポート

Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が開発している人型ロボット「Atlas(アトラス)」に、新しいスキルが追加されて、これまで以上に人間らしい動きをしている。
建設現場を想定したシーンの設定で、高い足場の上にのぼった作業員が、忘れてきた道具をAtlasに持ってくるように伝える。Atlasは軽快な動作で足場と階段の間に板を渡して橋を作り、道具袋をつかみ、ジャンプで上の段にのぼると、バッグを作業員に投げて渡す。さらにその後、体操選手のような着地を披露する。
Atlasは研究開発用途に位置づけられており、販売されていない。今回のデモンストレーションの一環の位置付けで、技術進歩の進捗状況を伝える動画となっている。実際の工事現場のような過酷な環境で危険な仕事をこなせる人型ロボットの実用化には、まだ時間がかかることが想定されるが、着実に実用化に向けて進んでいる。
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