都道府県別 観光客の動向調査 (Twitterビッグデータによる行動変化のSNS分析) 第4回 2021年1月

47都道府県の動向

 D4DRでは、観光地への往来が回復し、産業として復興するよう応援・確認する目的から、47都道府県ごとのSNS上の観光話題の定点モニタリングをスタート。20年10月から毎月追いかけている(対象メディアはTwitter、主に話題量の変化から状況を確認している)

都道府県別 旅行・観光話題量の変化(前年同月比)

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東京発着の旅行がGoToトラベル対象に追加された20年10月
宿泊数は前年の65%まで回復

 前月同様、まずは観光庁における都道府県別宿泊者の統計データを確認する。地域共通クーポンがスタートし、GoToトラベル対象に東京発着の旅行が追加された10月には回復傾向が加速、宿泊利用は前年の65%となった(図1)。

図1 日本全国 宿泊者数推移

全国的な感染拡大、及びGoToの一斉停止決定が大きく影響。
Twitter上の47都道府県別の観光話題量を比較

 続いて、前回同様1か月に観光話題(”47都道府県名”、及び”観光”または”旅行”のキーワードを含むツイート ※拡散によるBuzzを排除する為リツイートは除外)が多くみられた都道府県を分析。 20年11月から12月の主要な関連動向は、以下となる。

・大阪府、北海道の1日の感染者数が再び200人を上回る(11/10~12)
・東京都の1日の感染者数が再び500人を上回る (11/19)
・連休の行楽地混雑が報道(11/21-23)
・GoToトラベル対象の目的地から大阪、札幌の除外発表
(11/24)
・大阪府での通天閣赤色点灯(独自指標での非常事態) (12/3)
・北海道の集中対策期間の1/15までの再延長発表(12/11)
・GoToトラベルの全国一斉停止(12/28)
・東京都の1日の新規感染者数が初めて1,000人を上回る(12/31)

 12月の話題量上位10のうち京都、大阪、北海道では、いずれも11月から1.5万件以上の話題の減少が確認されている(図2)。

図2 話題量上位10都道府県(20年12月、11月)

前年12月の話題量を最も下回っていたのは?
話題量前年同月比から、回復傾向の後退が確認

 次に、前年と比べて観光の話題発生の減少が大きい、特に課題のみられる都道府県を確認。20年12月の前年同月比ワースト10の都道府県を調査した(図3)。

 12月の前年同月比ワーストは、9月まで最下位だった大阪となり54.9%。改善がみられた11月から一転、他も10月の前年同月比程度まで後退している。

図3 話題量前年同月比ワースト10(20年12月、11月)

 参考までに図4では20年12月の話題量(縦軸)と前年同月比(横軸)の関係をマッピングしている。11月と比べて、60~99%にマッピングされる都道府県が多くみられるようになった(前年同月比がワースト10の(=課題が窺われる)都道府県を赤字で示している)

図4 話題量(縦軸)×前年同月比(横軸)(20年12月)

依然注目!コロナ禍で「各都道府県の観光客が少ない」とする言及が継続発生

 別の視点として、話題から各都道府県への観光客の「戻り」を把握するため、19年の平均観光話題量上位10都道府県初回記事にて選出)を対象に、客足のボリュームの印象に言及した内容に絞った調査も行っている(図5、 “都道府県名”、及び”観光客”または”旅行客”、併せて”多い””少ない”のキーワードを含むツイートを分析 ※拡散によるBuzzを排除する為リツイートは除外 )ダウンロード資料では全都道府県掲載!

※例:次のようなツイートを調査

図5 観光客・旅行客量の言及出現数(19年観光量上位10都道府県)

 首都圏の大規模な感染再拡大がみられ、GoToトラベル全国一斉停止を決定した20年12月も、上位10都道府県の多くで、旅行客・観光客について引き続き”少ない”とする言及が多い状態が確認され、以下のようなツイートがみられていた。

 21年1月中旬時点では、首都圏など11都府県を対象に、2月7日までの緊急事態宣言が再発出され、振興施策のGoToトラベル再開時期は目途が立っていない。観光話題量はどのような変化を見せるだろうか。D4DRでは引き続き、月1回Twitterを対象に前月分の定点調査結果を公開し、数値から復興の動向を継続的に分析していく。

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Ichiko Oki

ソーシャルメディア分析を専門領域に、投稿をもとにした実践的な生活者のインサイト抽出・提案を得意とするデータアナリスト。2018年11月よりD4DR 札幌リサーチセンター開設・室長。

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