【イベント報告】未来シナリオ共創セッション第1回 フードテック市場をテーマにワークショップを実施しました


FPRC(Future Perspective Research Center)は、2020年11月11日(水)、フードテック市場をテーマに、新規事業戦略を考える「未来シナリオ共創セッション」の第1回を開催しました。

イベントでは、最初に新規事業戦略立案のプロセスを解説し、次にフードテック市場について事例や未来仮説をご紹介。後半では、30人以上の参加者の皆様とともに、オンラインミニワークショップを行いました。

新規事業戦略立案プロセスについて

はじめに、FPRC主席研究員/D4DR代表の藤元が、新規事業戦略立案プロセスについて解説しました。

プロセスは、4つの段階に分けています。 本イベントでは、緑色の「未来についてのビジョンを持つ」、オレンジ色の「自己・自社課題として考える」部分について、フードテック市場を例に、プレゼンテーションとミニワークショップ形式で紹介しました。

新規事業戦略立案プロセスについて、詳しくはこちら(サービス紹介ページにリンク)から

フードテック市場について

次に、新規事業戦略立案プロセスの「未来についてのビジョンを持つ」部分に当たる内容として、フードテック市場の概要と、2030年の食分野を考えるための「未来仮説」を提示しました。

フードテック市場と技術・サービス例

フードテックは、食分野でテクノロジーを活用することを指します。テクノロジーの発展の影響は、 農業・漁業から、流通や小売、食品の加工・保存や調理、新たな食材の開発まで幅広い分野に及びます。

本イベントでは、フードテック市場を「社会課題の解決」を目指す分野と「食の体験価値の追究」分野に分け、事例を紹介しました。

2030年の食を考えるための未来仮説

また、「2030年の食」をテーマに、未来を考えるための材料となる「未来仮説」を紹介しました。下図に記載している未来仮説は、食分野に影響を与えると考えられる、未来の 「社会・産業」「価値観・ライフスタイル」「技術」をまとめたものです。

未来仮説は、新規事業戦略を考える際の「バックキャスティングアプローチ」に活用することができます。「バックキャスティング」は、現在の延長線上に未来を描く「フォアキャスティング」と対になる言葉で、「未来のありたい姿」を起点に現在を考えます。

フードテック市場については、マンスリーレポート11月号で、関連データや最新事例を、イベントでは紹介していないものも含め多数掲載しています。
ダウンロードはこちらから

オンラインミニワークショップ

後半では、参加者の皆様を巻き込んだミニワークショップを実施ました。

新規事業戦略立案プロセスにおいては、 「自己・自社課題として考える」方法の一つである「アイディアジェネレーションワークショップ」に当たります。

実際のワークショップは、未来で起こる社会や技術の変化、企業が持つアセットなどが記載されたカードを使って行います。今回はオンラインでのミニセッションのため、ツールは「Slido」と「Google JamBoard」を使用しました。Slidoに質問への回答を投稿いただき、その内容をGoogle JamBoard上でリアルタイムでまとめる形式で進めます。

実際のワークショップの様子

「10年後に食分野で起こりそうな変化は?」

まずは、「10年後に食分野で起こりそうな変化」について、5つの選択肢でSlido上で投票を行いました。37名がご回答くださり、結果は以下の通りでした。

Slidoの投票結果

「フェイクミートが家庭の食卓にも普及している」が人気でした。すでに飲食店での提供が始まっており、身近に感じやすいことが影響したのでしょうか。

「あなたが自身が欲しいと思う食分野のサービスは?」

次に、「あなた自身がほしいと思う食分野のサービス」のアイディアを自由回答で募集しました。

Slidoの回答

31名から、60以上の回答を投稿いただきました。その内容を、FPRCの研究員がその場でJambord上でカテゴリ分けしたものがこちらです。

Google JamBoard

食×エンタメ

ただ食事をする・食材を購入するだけではなく、エンタメ要素を組み合わせているアイディアです。 VRレストランや遠隔の食事会などテクノロジーを活用したもののほかに、生産者や家族とコミュニケーションをとれるサービスが挙がりました。

トレーサビリティ・サプライチェーン

食の安心・安全を実現するトレーサビリティや、効率的なサプライチェーンの構築についてのアイディアです。「消費者と生産者の直接取引が100%」「育てた野菜を地域でシェア」生産者と消費者を直接つなぐことで安心・安全が実現できるアイディアですね。「海外のレストランの宅配」は、冷凍技術が発達することで実現できる可能性があります。

食の高機能化・高付加価値化

完全食をはじめ、食を高機能化・高付加価値化するアイディアです。特定の人の料理を再現してくれる調理ロボットなどが挙がりました。

食×ウェルネス

一番多くのアイディア集まったのがこの分野です。体調や気分に合わせた食事を教えてくれるサービスや、栄養を補えるものが集まりました。心身の状態を測定できるセンシング技術と組み合わせたサービスの登場が期待できます。

食がお気軽・手軽化

最後に、ロボットシェフや誰が作ってもプロの味になるものなど、クオリティを保ったまま食を気軽・手軽にできるサービスのアイディアです。調理や食材購入などの手間を省くことができるテクノロジーが普及すれば、今よりも食が手軽なものになると考えられます。

アイディアの活用例

短い時間でしたが、60以上のアイディアをいただき、大きく5つの領域に分けることができました。最後に、実際のワークショップのアイディアの活用法の一つを紹介します。以前実施したワークショップで出てきたアイディアを整理した図がこちらです。

ここでは、家や街のあり方が変わるということを示しています。家は、ドローンや自動運転、ウーバーイーツなどのデリバリーが毎日のように出入りするようになると、玄関の役割が変わると考えられます。 玄関に冷蔵庫があってそこにドローンや業者が荷物を勝手に入れてくれるようになると、そのそばにキッチンがあったほうがいいので、キッチンの場所が玄関よりになっていくかもしれません。

また、コミュニティの中で食事をしたい、という人が増えると、街にシェアリングキッチンが増え、そこでみんなで作って食べるようになるかもしれません。大人や高齢者も巻き込んだ地域のコミュニティのハブがシェアリングキッチンの形で出てくるのではないか、ということを表しています。

1つ1つのアイディアと、それが組み合わさることで家や街の構造が変わるのではないか、というように、具体的なアイディアと俯瞰を行ったり来たりすることで、アイディアをシナリオ化しています。

12月「シェアリングエコノミー」をテーマに第2回を開催します

第2回「未来シナリオ共創セッション」は、12月17日(水)16時より、「シェアリングエコノミー」をテーマに開催予定です。次回も、参加者の皆様とやり取りをしながら、市場の未来と新規事業戦略を考えたいと思っています。

お申し込みはこちらから