BtoBマーケティング支援 (Google Analytics × tableau連携) ~リードの可視化~

こんにちは。本日は、最近弊社D4DR・分析コンサルティング部で実施した、低予算でBtoB webマーケティングを実践できる手法をご紹介したいと思います。

昨今では、マーケティング・オートメーション(MA)などの言葉も流行、定着しつつある感がありWeb経由のリード収集や分析、販促活動、営業部門への営業リストの受け渡しといったマーケティング施策の管理、自動化が可能なMAツールやDMPツールを導入している企業も多く見受けられます。とはいえ、MAツールを導入したが管理、運用ができず活用できていない、予算の兼ね合いで、MAツール導入まで至らず、マーケティング活動が思うようにできていない、などといった声も耳にします。このようにツールと営業活動を密着に結びつけて成功している事例はまだまだ少なく、成功する手法の確立には失敗のリスクも伴う状況にあります。

そのような状況の中でも、マーケティング効果を少しでも高めよう、施策を行えないことでの機会損失を減らそう、との考えでMAを導入した企業も少なくないと思います。このようなケースでは、投資としてのツール導入判断が先に来て、マーケティング的な試行錯誤は後から行う想定でMAが導入されていますので、MA導入の成果が出るかどうか、状況や結果がわかるのはMA導入後数ヶ月が経過してからになってしまいます。

D4DRでは、このようなケースで、低予算でまずは現状分析を行うことをお勧めしており、その手法が、本日ご紹介するGoogle Analytics (以下GA)とBIツール「tableau」を組み合わせたものです。Google Analyticsは基本的には無料、tableauは有償ですが低価格帯のライセンスも用意されていますので、低予算でMA導入前のプレリサーチを行うことができるというわけです。

今回ご紹介する手法は、GAのログデータから「tableau」を活用して顧客行動の可視化を仕組み化することで、リード(見込み顧客)に関する情報の導出につなげようとするもので、リードそのものを獲得するMAツールとは一線を画すものですが、営業活動の打ち手を考える際の概観把握、仮説出しの材料などのお役になれば幸いです。

 

 

 

BtoBマーケティングに必要な考え方とは?

リードの可視化に入る前に、まずBtoBマーケティングについて整理してみます。

BtoBの領域では、一般的にファーストコンタクトからクロージングまでに長い時間がかかります。それゆえ、営業活動を効率化していく為には、営業活動の起点となる見込み客のリストを作り出すための一連の取り組みの視点を持つ必要があります。

BtoBマーケティングでは、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションのいわゆるデマンドジェネレーション*といわれる視点が必要です。*デマンドジェネレーションとは営業部門へ渡す、見込み案件の創出・発掘活動全般のこと。

このデマンドジェネレーションの視点を持つことによって、リード獲得から案件化の為の中長期的なリードの管理やフォローの必要性が分かるようになります。

また、最終的な目標である売上を上げる為にキーとなるのは、マーケティング部門と営業部門との連携です。

一概に良質な営業リストといっても、マーケティング部門と営業部門が想定するターゲット像が乖離してしまっては元も子もありません。両部門で関係性を高め、情報共有し、リードの質を上げていく基盤を構築することがBtoBマーケティングの効果を最大化することにおいて重要です。

リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーション

BtoBマーケティングにおけるデマンドジェネレーション

リード(見込み顧客)の可視化

ここからは、リード可視化の手法をご紹介します。(分析対象は、弊社が用意したサンプルデータを採用しております。)

本稿では、GAとtableauを活用してできることとして、上記の③リードクオリフィケーションにあたるリード(見込み顧客)導出を視点に置き掘り下げていきます。

では、実際に自社のサイトにどんな企業が流入しているのでしょうか?また、流入した企業はどんな行動をしているのでしょうか?

以下、2種類のダッシュボードをtableauにて作成しました。

Ⅰ.流入企業の把握・見込み顧客の導出

Ⅱ.流入企業別プロファイル

 

Ⅰ.流入企業の概観把握・見込み顧客の導出

Google Analyticsのログデータをtableauで表現。リード、見込み顧客

※分析対象データは、弊社のサンプルデータを用いて分析。

※分析対象は「co.jp」を含む企業ドメインに設定。

※tableauでの作成方法等、詳細の内容はここでは割愛します。

 

①:流入企業ランキング

②:見込み顧客の導出

 

①の表、流入企業ランキングでは、簡単に流入企業のリストが抽出でき、企業の把握が可能となります。②では、さらに指標をクロスして見込み顧客となりそうな企業を見ていきます。

 

②の散布図、見込み顧客の可視化は、

以下、4象限の属性で見てみましょう。

青背景:訪問回数多い・閲覧ページ数多い→興味度合が高い見込み顧客

黒背景:訪問回数少ない・閲覧ページ数多い→情報収集開始した顧客

緑背景:訪問回数多い・閲覧ページ数少ない→訪問の目的が明確化した顧客

赤背景:訪問回数少ない・閲覧ページ数少ない→興味度合の低い顧客

 

流入企業における見込み顧客の導出(上図右)では、条件(x軸:ユーザーあたりの訪問回数、y軸:訪問あたりの平均閲覧ページ数)の中で、平均値を白線で示していますが、サンプルデータは中小規模企業のBtoB向けサイトという想定ですので、母数の確保が難しいという点も踏まえ、ユーザーあたりの訪問回数3回以上と閲覧ページビュー5ページ以上でないとコンバージョンに進んでもらえない、と仮定し設定しています。通常であれば、MAツールなどの複雑なスコアリング項目を設定するところを、今回はGAで簡易スコアリングのような内容で表現しています。

②の結果を見てみると、訪問回数および閲覧ページ数の多い企業Aが際立っています。また、セッションは多いがページビューが少ない企業Bも相対的にみると目立っています。

このように、サイトへの興味度合が高いと判定できれば、複数の担当者が閲覧しており社内検討中なのではないか、など推測でき、他社との相対的なポジションとして、営業案件化する見込み度合が高い可能性のある企業と判定することもできます。

見込み顧客企業がどこであるか、具体社名が可視化することで、部署や個人がわからなかったとしても、どのような業種、業態の企業が自社のページに関心を持っているかがわかりますので、仮説を立てやすくなり、営業活動における打ち手の参考材料となります。

本稿の手法は、顧客リスト可視化までの手法の1つに過ぎませんが、リードジェネレーションからリードクオリフィケーションまでをワンストップで管理できるMAツールなどの導入前に、Web上の顧客やその行動傾向をツールや手法・手段を利用して、自社の想定する見込み顧客を把握・抽出することで、初めて本来の営業リストとして活用でき、BtoBマーケティングを実践する一助となると考えています。

※さらに、「どこどこJP」などの企業ツールをGAと連携させ属性値を取り込むことによって、より明確な企業ステータス(組織名・組織URL・業種・従業員数等)が紐付けることができ、営業活動に直接的に紐づけられる可能性も高まります。

見込み顧客をざっと可視化したところで、次は、見込み顧客と想定される企業別の行動傾向をもう少し詳細に見ていきます。

 

Ⅱ.流入企業別プロファイル

Google Analyticsのログデータをtableauで表現。営業リスト、リード可視化

①:基本指標

②:日別推移

③:流入元

④:流入元別のランディングページ別ランキング

⑤:セッション(横軸)×CVR(縦軸)の散布図

 

企業別に動向を分析すると、さらに見込み顧客の企業の精度を確認することが可能となります。

先述の結果で、際立っていた「企業A」のプロファイルを見てみます。

プロファイルの①~⑤の項目の結果から、今回は、特に全体と比べて差異のあった③と④に着目してみます。

③については、メールマガジン経由(email)での流入が37%と、自然検索に次いで多いことがわかります。また、④では、メールマガジン経由の流入のうち8割以上がカスタマージャーニー関連の記事に多く遷移していることがわかりました。

このように、見込み顧客として質が高いと想定される企業に対して、メールマガジンを送付後に営業からアプローチも並行して行うなどのアクションも考えられます。また、特定の領域に絞ったコンテンツの掲出するなど(カスタマージャーニーの記事を中心など)メール内容のだし分けなどを行い、継続的にリテンションをかけるなども考えられます。

また、実際に弊社でも定常的なアクセス解析の結果を踏まえ、カスタマージャーニーのニーズの高さを認識していました。コンテンツやメールマガジンでも頻繁に出し続けていたことが、効果的であったかどうか、などの施策の効果測定も把握できることになります。

Google Analytics、tableau、営業リスト、リード可視化

一方、「企業B」については、オーガニックでの訪問が中心となり、トップページや会社概要、サービスページへの訪問が多く、興味はあるものの、会社の概要把握をしており、まだ情報収集段階ではないか、と判断することもできます。

 

今回の可視化により、どの企業が自社のどんなサービスに興味をもったのかをある程度把握することができました。ただし、この結果はあくまでも定量的な結果の一部に過ぎず、それだけでは、自社の売上や契約には結びつきません。

忘れてはならないのが、B to Bの領域では、購入や導入に至るプロセスも多くの段階が必要な為、マーケティング部門と営業部門との意識をしっかりと共有し、会社のターゲットとする顧客像をすり合わせ・可視化することが重要です。

どこから流入してWebサイト上で、どういったページを経由し、問い合わせに至ることが多いのか?

資料請求後など、どのタイミングでメールをし、誘導すべきコンテンツはどのページなのか?

など、アクセス解析とオフラインでの結果を結び付けることもせっかく獲得した見込み顧客をムダにしないために重要となります。

見込み顧客を導出するには、Web担当者がアクセスログデータを眺めているだけでは、本来の顧客像が浮かび上がってきません。

アクセスログデータは、各担当者と共有することで大きな武器に変わる価値を得るのだと、力強い味方にものだと思っています。

少しでも皆様の業務においてヒントになれば幸いです。

 

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