「超・選択肢社会」とは?
テクノロジー爆発により制約を超えた社会が実現する


【特集】超・選択肢社会
「超・選択肢社会」とは、 テクノロジーの連鎖的な発展により、コミュニケーションの距離の制約だけでなく、生き方や価値観までもが制約を超えて選択可能になる社会です。 本特集では、そのような社会の実現に向けた課題や必要な政策などに関する記事を連載していきます。

生活者トレンド2040 -概論-

D4DR FPRC(フューチャーパースペクティブ・リサーチセンター)
主席研究員 藤元健太郎

超・選択肢社会とは?

人類は誕生以来、非常に多くの制約の中で生きてきた生き物であるが、「想像と創造」の力によって、他の生物には無い制約からの解放を実現してきた生き物でもある。産業革命以降の動力技術により高速移動が容易になり距離の制約を大きく超え始めていたが、さらにデジタルテクノロジーのコミュニケーション革命がコミュニケーションの制約を超える「いつでも、どこでも、誰とでも、どんなことでも」という状態を実現した。今後はさらなるテクノロジー爆発(カンブリア大爆発のような技術の連鎖的大発展)により、我々の生き方や価値観までもが制約を超えて選択可能になることが予想される。我々はそれを超・選択肢社会と呼び、以下のような視点で考えている。

①多元化

都会や田舎やどんな場所でも複数の場所に自由に移動しながら生活するマルチハビテーション、複数の会社や組織や様々なプロジェクトで仕事をこなすメタワーク、多様な家族やコミュニティに複数属するマルチコミュニティで生活していく人が増えていくだろう。

「マルチコミュニティ」市場の構造図

②個人の多様性の拡大

ダイバーシティは現在中心的議論である性別の議論を超えて、より広い範囲の多様性(表現や死生観などの価値観など)が社会として共存可能な状況にすることを求めるようになるだろう。

③個別最適化と全体最適化の同時追求

これまでの公(パブリック)と個(プライベート)を別のものとして捉えるのではなく、テクノロジーによって両立できるものになるだろう。それは人とあらゆる社会リソースのID化によりデータとして最適化がリアルタイムに判断できることが大きい。例えば、公園は誰がいるかわからない場所から、現在どんな人がどこにいるかがわかる場所になることで安全性の認識も変われば管理の仕方も変わる。最終的には「ルールのダイナミック化」が今後の社会システムのもっとも重要なテーマになるだろう。その時の状況(そこにいる人、モノ、時間、状況など)に応じてルールを柔軟に動的に変更できることである。例えば、車が来ないことがわかっている状況では信号をずっと青にすることが可能になり、さらに直接デバイスやモビリティと通信が可能になれば信号機そのものが不必要になる。

FPRCでは、こうした「超・選択肢社会」実現のための課題や必要な政策などを提案していきたい。