顧客体験価値を最大化するオン(EC)とオフ(店舗)の役割(第27回Next Retail Labフォーラム)

 D4DRが企画・運営に携わる「Next Retail Lab(ネクストリテールラボ)」フォーラムが2019年9月25日に開催されました。第27回となる今回は、株式会社コメ兵執行役員・マーケティング統括部長の藤原義昭さんが、リユース業界の動向や店舗とECの関係について話しました。

 

登壇者プロフィール

株式会社コメ兵 執行役員 藤原義昭氏

1999年 株式会社コメ兵入社、ジュエリー事業部に配属。2000年自社ECの立ち上げに参画、物流からささげまでの一連の業務全てを構築する。現在はデジタルマーケティングの統括、情報システム部門トップも兼任し全社ITを統合しオムニチャネルを推進している。

 

顧客体験を最大化するデジタル戦略

 まずコメ兵のEC事業について、藤原さんは「ECをハブ化することによって、デジタルからリアルへのコンバージョン率が上がる」と説明します。

 ECと店舗のつなぎ役として注力するサービスの一つに「お取り寄せ」、つまりECに掲載されている商品を、顧客の希望する店舗へ即座に配送するというサービスがあります。このサービスは、商品が一点物のリユース品であるがゆえに、実際に手に取って確かめてもらうことを重視し、コストを度外視して提供しています。特に高額商品であるほど、「お取り寄せ」サービスのニーズが高いことがデータにも現れています。

 そういったお客様の求めるニーズに、真摯な対応をすることが、顧客体験の向上にも繋がっています。

コメ兵が重視する接客力と鑑定力

 ECのハブ化を進める一方、店舗を購入体験の場所と位置づけていると藤原さんは言います。例えば中古品販売ショップとは思えない内装や店舗づくり、そしてブランドに敬意を払った商品の並べ方にこだわります。

 藤原さんは「強みは人・店・商品」と語り、接客力と鑑定力を併せ持つ人材、リユースのイメージを覆す店舗、質の高い商品を継続的に提供することの重要性を強調しました。コメ兵では偽物の買取率をゼロにし、偽物を流通させないことで社会貢献を果たし、このことを大事なミッションの1つと捉えています。 その姿勢はB2C以外の領域でも同様です。コメ兵が提供するブランド品専門のフリマアプリで行われるユーザー間の取引でその鑑定力を活かし、中古品の取引で嫌な思いをする人を減らす重要性を意識しています。

 リユース業においては、顧客からの商品買取が生命線となりますが、そこで問われるのは従業員の知識と接客力です。ブランド品の買い取りでは、品物に思い入れを持つ顧客の想定価格を下回る場合がほとんどです。その点をどのように伝え、納得して売ってもらえるかが肝要であると藤原さんは言います。もちろん販売においても、磨かれた鑑定力によりコピー品や偽物を排除した上で、品質管理も徹底します。コメ兵では従業員が接客力と鑑定力の両方を身に着けるため の教育システム整備も進めてきました。最終的に価格や品質だけではなく、人で選んでもらえる人材を育成することが、今後も成長を続けるための鍵なのです。

 

オンライン台頭の時代におけるオフライン店舗のあり方

 藤原さんの話の中で、「リユース業はいわばマッチングビジネスである」という言葉が印象的でした。買取と販売の双方に顧客のいる業界だからこそ、確かな鑑定と、顧客の商品への思いを引き出し寄り添う、というコミュニケーションが求められます。そして、それはオンラインではなく、オフラインの店頭においてより発揮されるものです。

 これからオフライン店舗の価値が体験提供にシフトしていくであろうということは、過去の同フォーラムでも議論されてきました。ECをチャネルとしてフルに活用することはもちろん、店頭ならではの顧客体験をいかに提供し、取引の「次」に繋げるかということを重視するコメ兵の手法には、学ぶところが多くありました。

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D4DR PR Staff
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