企業調査とは~市場で勝つために企業調査が必要とされる理由~

はじめに

今回から、以下4回に分けて「企業調査」の話をしたいと思います。

●第1回 企業調査とは~市場で勝つために企業調査が必要とされる理由~

第2回 新規参入のためのマーケット、企業ベンチマーク調査事例

第3回 競合企業の動向調査から自社戦略へ(企業ベンチマーク調査事例)

第4回 競合企業の営業構造変化に着目したベンチマーク調査事例

「企業調査」と聞いて皆さんはどのようなものをイメージしますか?

帝国データバンクや東京商工リサーチが行っているような、「財務状況は?」「倒産の可能性は?」「資金繰りの状況は?」「銀行からの評価は?」「社長の人となりは?」というような調査をイメージする方が多いと思います。これらの情報を調査するのは企業調査では基本中の基本である「信用調査」や「与信(調査)」と称されるものです。

信用調査は、取引決定や融資決定の最終段階、M&Aの算定額抽出のために行われることがほとんどです。

言うなれば、「最後のトリガー」になる情報です。

D4DRでの企業調査とは、もちろん信用調査の情報を収集することは前提として、もう一歩も二歩も踏み込んで企業を調査し分析を行っています。

D4DRの企業調査は、「産業調査」「ベンチマーク調査」「競合調査」と言われることも多いようですが、財務状況などの信用情報や信用関連情報の収集のみではなく、文字通り、「企業を調査する」ことになります。

信用情報は、あくまでもその調査情報の中の1つにすぎません。

クライアント企業が気になっている「企業」を調査するものですから、その「気になっているポイント」をすべて明らかにします。

クライアントが、知りたい情報、気になっている情報とは、「その企業の収益性」なのか、「その企業の商品やサービス」なのか、はたまた「その企業の営業手法や営業組織構造」なのか、「その企業が市場で高い地位を築いた理由や手法、戦略はなんだったのか」など、自社が知りたい情報は多岐に及びます。それら多岐にわたる情報を調査し明確化することがD4DRの企業調査です。

信用調査は取引をして「自社が損害を被る可能性の有無」を判断する「守りの情報収集」だとすれば、D4DRの企業調査は、「自社の売上高やシェア向上、収益向上・改善」など市場で勝っていくために行う調査で、まさに「攻めの情報収集」と言えるでしょう。

市場で勝つために

既存市場であれ、新規参入市場であれ、市場で勝たなければ企業の存続は危うくなります。では市場で勝つためにはどうしたらよいでしょうか。。。。?

それには、「市場で勝てる戦略や戦術を構築する」ことが重要となります。

どうやって、「市場で勝てる戦略や戦術」を構築すればいいのでしょうか?

一人の天才が居て「こうすれば必ず勝てる!!」という助言があればよいのでしょうが。。。そのような助言は、ほとんどあり得ません。

しかし、どの市場にも実際に「勝ち続けている企業」「勝っている企業」「勝ちつつある企業」は存在しています。

ではその企業は「なぜ勝っている」のでしょうか?

何か「秘密」があるから勝っているのでしょう。その秘密は「天才の存在」でしょうか?

天才の存在を100%否定はしませんが、大部分の企業は、天才以外の要因で、その市場で勝っているのです。

その「勝っている要因」を調査することができるのがD4DRです。なぜならD4DRはITをはじめとした戦略コンサルティングで「勝つ企業」を作り上げてきました。その戦略を構築する基本情報となるのがD4DRの企業調査だからです。

現在勝っている企業の一歩前を行けば、その市場で優位に戦いを進められます。そのためには勝っている企業を丸裸にすれば、その企業の「強み」「弱み」やその企業が把握している「その市場の脅威」「その市場での今後のチャンス」が明らかになります。

相手の企業のことがわかるのですから、その企業の一歩前に進む戦略が立案しやすくなります。

でも。。。その企業は、ライバルとなる企業に自分の「強み」「弱み」や「脅威」や「チャンス」の情報を教えてくれるはずはありません。

なので、第三者的な調査が必要となります。

どうやって調査するのか

D4DRの企業調査は、ほぼ100%訪問ヒアリング調査です。ただアポを取って企業に訪問するのではなく、事前に「当該市場における勝つ要因」などの仮説を構築し、その仮説を企業に評価してもらうといったヒアリング手法を取ります。

(正しい情報が、楽で効率が良く入手できる手法があればよいのですが、訪問ヒアリングが、正しい情報を入手するに最も効率が良い調査手法なので選ばざるを得ない状況です。)

企業調査の大原則は、「仮説を構築し、その仮説を証明する」ことにあります。その証明は、企業に直接ヒアリングしなければ、どこにも情報は転がっていません。

調査対象企業とその周辺情報(取引銀行、取引企業、業務関連企業など)の入手のためには、電話やメールではなく、調査担当者が必ず調査先に足を運び、現地を目で見て耳で聞いて情報を入手し、多面的を分析します。

そこまでやらないと、調査対象先の「本当の強み・弱み」や「脅威やチャンスに対する考え方」の情報は入手できません。

調査対象先と「対等に会話する」ためには、しっかりとした仮説構築が必要です。仮説がしっかりしていれば相手も「ごまかせず真摯な回答」をしてくれます。逆に「いいかげんな仮説」であれば、「適当にお茶を濁すような回答」しかしてもらえません。

しっかりとした仮説構築には、ロジカルな思考と世にある情報の読み方などが必要であり、戦略コンサルティングを得意としているD4DRにはノウハウが数多くあります。ゆえに同業他社では聞き出せないようなことまでヒアリングすることが可能となっています。

次回からは、調査の目的・手法・ヒアリング内容・分析などを、実際に行った調査事例をご紹介しながらご説明いたします。

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