競合企業調査とは?戦略立案に不可欠な基礎知識と目的【2026年最新】
1. 競合企業調査とは?
競合企業調査とは、自社と参入市場が同じであり、顧客を奪い合う関係にある競合企業の戦略、財務、製品・サービス、マーケティング活動などを多角的に調査し、自社(自社製品サービス)と比較分析するものです。
単に「あそこの会社は安売りをしている」「新製品を出したらしい」といった表面的な情報を集めることではありません。競合企業と自社を比較することで、自社の強みや弱み等を把握し、より確からしい戦略立案に役立てることが本質的な目的です。
2. 競合調査の5つの目的
競合調査を行う目的は、大きく分けると以下の5点です。
自社の立ち位置・現在地な客観的に把握
自社だけでデータを眺めていても、その数字が良いのか悪いのかは判断できません。競合の成長率や利益率と比較することで、初めて自社の「真の強み」と「克服すべき課題」が浮き彫りになります。
市場の空白地帯(ブルーオーシャン)の発見
市場の動向や潜在的な機会を把握することで、そもそもその市場に参入すべきか、どのような領域で伸ばすべきか等を考えることができます。また、競合各社がしのぎを削っている領域がわかれば、逆に誰も手をつけていない「未充足のニーズ」が見えてきます。
競合の次手(戦略)を予測し、先手を打つ
過去から現在に至る競合の動きを追うと、彼らが次にどのような一手を打とうとしているのか、パターンが見えてきます。相手の出方を予測できていれば、リリースのタイミングをぶつける、あるいは敢えて外すといった戦略的コントロールが可能になります。
成功事例・失敗事例からの学習
すべての施策を自社でテストするのはコストがかかります。競合が導入して成功した施策、あるいは失敗して撤退した施策やプロジェクトを分析することは、効率的な学習機会となります。
投資判断や経営リソースの最適化
「どの領域に予算を投下すべきか」「事業をスケールすべきか否か」「この市場において新規事業を立ち上げるべきか」など、大きな投資判断が必要な問いに対し、競合の動向は強力な判断材料になります。競合が圧倒的なシェアを持つ領域で消耗戦を挑むのか、それとも手薄な領域にリソースを集中させるのか。経営の舵取りにおいて、競合調査は不可欠です。

3. 競合調査の主要項目例
競合調査の項目は、調査分析の目的に応じて設計する必要があります。下の表では、D4DRが競合調査依頼をお受けする中でよくある調査項目例をまとめました。
| カテゴリ | 具体的な調査項目 |
| 企業基本情報 | 資本金、従業員数、組織体制、主要株主、採用状況 |
| 財務・業績 | 売上高、営業利益率、販管費比率、キャッシュフロー |
| 製品・サービス | 機能、品質、ラインナップ、保証内容、カスタマーサポート |
| マーケティング | ターゲット、ポジショニング、広告媒体、SNS活用状況、SEOキーワード |
| 価格戦略 | 定価、割引率、サブスクリプション体系、LTV(顧客生涯価値) |
| 顧客評価 | レビュー、SNSでの評判、満足度調査の結果、解約理由の推測 |
4. 競合調査・戦略立案において大事な5つの分析フレームワーク
調査の目的や収集データに応じてフレームワークを活用することで、調査結果がただのデータではなく戦略立案のための重要なピースとなります。
以下では、競合調査、戦略立案によく用いられるフレームワークを紹介します。
3C分析
市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点で分析します。市場全体のトレンドの中で、競合がどう動き、自社がどう対応すべきかを整理する、最も基本的な手法です。
SWOT分析
競合と比較した際の、自社の「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」、そして外部環境による「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」を整理します。特に、強みと機会を掛け合わせ。他社との差別化を図る戦略を練るのに役立ちます。
Forces分析
マイケル・ポーターが提唱した、業界の収益性を決める5つの要因(新規参入、代替品、買い手、売り手、競合)を分析します。競合だけでなく、周辺環境を含めた「戦いやすさ」を測るのに適しています。
バリューチェーン分析
競合が「どの工程」で付加価値を生み出しているかを分解します。例えば、「開発力」で勝っているのか、それとも「物流網」で勝っているのか。相手の強みの源泉を特定することで、対抗策が見えてきます。
STP分析
セグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(狙う層)、ポジショニング(立ち位置)を分析します。競合がどの山を登っているのかを知り、自社は別の山を登るのか、それとも追い越すのかを決めます。

5. 競合調査の流れ
競合調査を実施するフローは大きく以下の4ステップになります。
STEP 1:調査の目的設定と基本調査調査事項の決定
「新商品の価格設定を決めるため」「来期の広告予算を配分するため」など、目的を明確にします。目的を明確にすることで、調査対象となる競合企業の選定や、調査項目、調査手法など調査の基本事項を検討、決定することができます。
また、調査目的に紐づく仮説を詳細に立てておくことで、調査分析をより意味あるものにすることができます。
STEP 2:情報の収集
- デスクリサーチによる情報収集: IR情報やプレスリリース、SNS、口コミ等、WEB検索や生成AIをを活用し、WEB上で収集できる情報を幅広く集めます。
- 現地調査: 調査対象企業の広報の方や現場の方へのヒアリング、調査対象企業の取引先企業へのヒアリング等、実際に関係者の話を聞いて、より詳細な情報を集めます。
STEP 3:分析と可視化
集めた情報を前述のフレームワーク(3CやSWOTなど)を活用し、分析します。STEP1でたてた仮説の検証や、自社と競合企業の比較をすることが重要です。
STEP 4:自社戦略への落とし込み
分析結果を元に、「自社がどうすべきか」という結論を出します。競合調査は、戦略策定や営業施策、マーケティング施策の立案/実行などアクションにつながって初めて価値があります。
6. 【プロの視点】AI時代の競合調査
最後に、数多くの競合調査に携わってきたD4DRの、競合調査に対する考えです。
2026年現在、競合調査だけではなく様々な情報は、AIを使えば深く調査し、瞬時にレポート化できるようになりました。しかし、あくまでそこで得られる情報はWEB上に公開されているもののみであり、特に企業の様々な活動の結果が中心であることが多いと考えています。
しかし、自社の戦略策定や施策立案に重要な要素は、他の企業がある行動を取った背景にある考えや、結果までのプロセスである、と考えています。
「AIに様々な仕事が代替される」と言われる今日において、競合調査に関しては上記理由で以前よりさらに価値が高くなるはずです。特に、戦略立案や新規事業開発、新市場への参入等、大規模な投資判断が必要であるような場合は、ぜひ調査の一つの手法として競合調査を検討することをおすすめします。
また、実施する際には本記事が少しでも参考になると幸いです。
Sho Sato
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