d-35 : 性的コミュニケーションと生殖の分離

性的コミュニケーションと生殖の分離とは?

予想される未来社会の変化

  1. 体外受精・ゲノム編集の高度化、人工子宮の実用化、精子・卵子の人工生成(iPS由来)などのテクノロジーの進展によって、生殖が身体依存から解放され、性的コミュニケーションと生殖の分離が生じる。
  2. 性的欲求を持たないアセクシャルの可視化とその増加によって、恋愛や結婚が必須ではない価値観が普及することで性と人生の切り離しも進む。
  3. 恋愛マッチングと生殖マッチングが分離し、遺伝子相性マッチングなどが登場する。
  4. 自然妊娠が減少し、社会インフラの一部として国家・企業による生殖支援が行われる可能性がある。

トレンド

代理出産ロボット

出典:朝鮮日報『「200万円の妊婦ロボが代理出産、1年以内に公開」 中国企業のプロジェクトが物議』

中国・深センにあるロボットメーカー「卡伊瓦」の創業者で社長の張其峰氏(シンガポール南洋理工大博士)は、代理出産ロボットの開発の計画を明らかにした。

このロボットは従来の体外受精や代理母出産とは異なり、「ロボット母」が妊娠から出産までの全過程を再現するもの。人型ロボットの腹部に人工子宮の役割をする『妊娠カプセル』を入れ、正常な受精・妊娠過程を経て出産まで可能にする技術だという。

価格は一般モデルで10万元(約205万円)を超えないとも示された。

ただし専門家らは「妊娠ロボット」について、技術的にも倫理的にも解決すべき課題が多いと指摘。産婦人科医のチャン・リーシュワイ医師は「出産は単に赤ちゃんを産む過程ではなく、母体→胎盤→胎児へとつながる複雑な循環システムが必要」として「現在の技術では、ロボットがその全ての過程を代替することは事実上不可能だ」と述べた。

Baby Match(ベビマッチ)

出典:PR TIMES『妊活をサポートする新しいマッチングサービス「Baby Match(ベビマッチ)」提供開始』

SPIKE Networksは、妊娠を望む女性と妊活パートナーをつなげる新しいマッチングアプリケーション「Baby Match(ベビマッチ)」の提供を開始。

「Baby Match(ベビマッチ)」は、子どもを授かることに特化した国内初のマッチングサービス。子どもを授かりたいという明確な意思を持つ利用者同士が安心して交流できる場を提供。従来の結婚マッチングサービスとは異なり、「子どもを授かること」を中心に据えたコミュニケーションが可能となる。

不妊治療を行う医療機関との連携や専門カウンセラーによるサポート体制の構築も計画している。

セクシャルウェルネス

出典:iroha「セクシャルウェルネスとは? どんな商品がある?」

出典:iroha 公式サイト

出典:IDEAS FOR GOOD「セクシャルウェルネスとは・意味」

性の健康を追求する「セクシャルウェルネス(もしくはセクシャルヘルス)」という考え方が、近年注目されている。一般的に、身体的な面だけではなく、性に関して精神的、社会的にも健康である状態を指す。

WHO(世界保健機関)は同じ概念であるセクシャルヘルスについて、「単に病気がないことではなく、幸福のこと」「生殖年齢にある者だけでなく、若者や高齢者にも、個人の生涯を通じて関係する」と述べており、「性の健康は、個人、カップル、家族の健康と幸福、そして地域社会と国の社会的・ 経済的発展の基礎となる」とし、その重要性も述べている。

特に、女性の性的な話題を語ることは社会的にタブーとされる傾向が強かった状況を打破しようと、女性のセクシャルウェルネスを高めるグッズやテクノロジーの開発を行う女性起業家が次々と現れている。

日本でも「女性に寄り添うここちよさを届ける」ことをコンセプトに、女性のセクシャルウェルネスに関わるプロダクトを開発する「iroha」というブランドが注目されている。