マーケティングDXを推進するカスタマージャーニー分析とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みにカスタマージャーニーを効果的に活用できていますか?
企業のDX推進の状況を振り返りながら、注目ポイントを紹介いたします。

企業の63%がデジタルトランスフォーメーションに着手

株式会社電通デジタルがリリースした調査結果によりますと、企業の63%がDXに取り組んでいます。「将来的に着手予定」まで含めると76%に達し、多くの企業で構想を含めて取り組みが進んでいます。

※出所:株式会社電通デジタル「日本企業のデジタルトランスフォーメーション調査2018年版」

取り組み内容では、既存製品・サービス・コミュニケーション進化、ビジネスモデル変革、業務プロセスの変革が上位に挙げられており、まずは既存リソースへのデジタル活用、その先に新ビジネスの創出という構想が垣間見れる結果になっています。

※出所:株式会社電通デジタル「日本企業のデジタルトランスフォーメーション調査2018年版」

マーケティング領域ではデータ活用が加速

マーケティング領域において、DXの推進において導入しているテクノロジーでは、実装済みとして「SFA/CRM」、「データ解析」が挙げられ、今後の実装予定では「AI」が突出しています。

「AI」に注目が集まっている中でも、データを活用しようとする企業では「AI」在りきではなく、まずはSFAやCRMの基盤を整備し、蓄積されたデータを解析するというステップを踏んでいると読み取れます。

※株式会社電通デジタル「日本企業のデジタルトランスフォーメーション調査2018年版」

IDCジャパンのリリース記事(下図参照)と併せると、デジタル化により蓄積された顧客のデータを「自社の資産としてビジネスに活かす」、という動きが「AI」の活用により加速すると考えられます。

※出所:IDCジャパン株式会社「2018年 国内企業のデジタルトランスフォーメーション動向調査」

カスタマージャーニー分析(アナリティクス)に注目!

DX(デジタルトランスフォーメーション)によって顧客接点が強化される事で期待されるのが、顧客の行動データをもとにしたカスタマージャーニーの分析です。

オンラインに加えて、オフラインチャネルでの顧客データが集積されるようになることで、顧客行動の全体像を可視化できる環境が整いつつあります。

ガートナーが発表した国内CRMハイプサイクルを確認すると、カスタマージャーニー分析(アナリティクス)は黎明期にプロットされ、主流の採用までに要する年数は10年とされていますが、今後はこの分析が加速すると考えられます。

※ガートナージャパン株式会社「日本におけるCRMのハイプ・サイクル:2018年」

D4DRコンサルタントの視点 〜行動データをビジネスに活かすために〜

DXが進むことで、従来からあるオンライン行動データに加えて、顧客のオフライン行動もデータ化されるようになります。そして、AI・機械学習など要素技術やプラットフォームの進化によって、より高速高深度高精度の分析ができる環境が整ってきています。

しかし、顧客の行動プロセスの一側面だけにフォーカスした分析だけでは、蓄積された行動データを効果的にビジネス成果に結びつける事はできません。

多くの集積された行動データを有効活用するためにはカスタマージャーニー全体を視野に入れたデータ分析が求められます。

カスタマージャーニー全体の視点を取り入れる事で、個々の顧客接点での施策(チャット、パーソナライズド等)や、それらを支え得る要素技術(AI、プラットフォーム等)のポテンシャルを最大限発揮でき、より高い施策効果、より効率の良いCX追求がなされるようになります。

マーケティングDXを推進し、成果を獲得し続けるためにも、顧客の意識・行動データを棚卸し、分析・可視化した上で、DX時代に即したカスタマージャーニーの再構築を行ってはいかがでしょうか。

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Mikio Aaskawa

マーケティングエージェンシーや制作会社にて各種リサーチ・分析業務を経験した後、2009年よりD4DRのシニアアナリストとして、データドリブンのマーケティング支援に従事。現在はプリンシパルとなりプロジェクトリーダー兼アナリストとして、顧客視点で企業のマーケティング戦略立案や課題抽出、アクションプラン立案を支援している。

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