企業のインスタグラム活用のポイント(後編) ー運用型とインサイト抽出型ー

前回の整理では、インスタグラムがtwitterやfacebookとどのように違うのか、画像に特化したSNSならではの強みや、現状では難しいポイントとその理由について、ひととおりの確認が行えたと思います。

後半の今回は、「企業がインスタグラムを活用するいくつかの方法と、何が分かるのか」。結果として皆さんの企業において、“どのような目的に対し、どの手法を採用するべきなのか”を整理・確認していきます。

1.目的から活用を分類してみる

インスタグラムの企業活用は大きく

A. アカウント運用、キャンペーン、広告などの運用型
B. 一般ユーザーの投稿量や内容を分析して、現状を把握したり今後の商品設計やアピールポイントの材料にするインサイト抽出型

に分類されます。

①知ってもらいたい/ページに来てもらいたい/体験してもらいたい/ファンになってもらいたい
という、ダイレクトな販促目的に対しては、まずはA.の運用型の活用を検討することになります。
すでに出回っている、もしくはもローンチをひかえた商品やサービス、企業が対象となり、「販促型」という名称にしても良かったのですが、いずれも自身で運用する必要があることを示すため、このように呼ぶことにします。

②利用シーンや支持要因を知りたい/ファンの傾向を把握したい/競合との違いを確認したい
といった要望に対しても、instagramを活用することができます。
抽出した傾向を次の一手に反映することで、ユーザーインサイトをもとにした抜本的な改善や、確かな裏付けを持った施策の推進が可能です。
自身の撮影した画像が集まるインスタグラムの投稿からは、重要な「傾向」や意外な「気づき・インサイト」が抽出できることが多く、成果の向上に必要と思われる場合には、D4DRではまず最初にB.のインサイト抽出型の活用をおすすめしています。

以下、「運用型」の主な3手法の違い・使い分けと、「インサイト抽出型」のポイントをみていきます。

2.アカウント運用、投稿キャンペーン、インスタ広告の向き不向き

アカウント運用最大のネックは”撮影対象の数”

SNSの運用経験がある方は想像がつくと思いますが、アカウント運用で注意すべき最大のポイント(というかネック)は、告知したい商材あるいはサービスに「画像を投稿しつづけられるネタがあるのか」という点です。
画像に限定されて伝わりやすくなる分、対話やつぶやきで運用できるtwitterや、リリースをシェアできるfacebookにはなかった制約が加わり、投稿するネタが無いケースもあります。
よし、と思い立って新製品の告知でアカウントを立ち上げるようなことがあると、いざ製品のパッケージ、出荷の様子、お店(及びタレント、中の人)を投稿しただけでもう投稿コンテンツがなくなってしまう、ということがよくあります。
アカウント運用は無料で利用できるだけに中小企業の強い味方という印象がありますが、あくまでも小売・セレクトショップが中心。メーカーの場合、毎月新製品を出したりキャンペーンを行う企業(=大手)のほうが向いているといえます。

なお、体験者をつかったアパレル・美容院型の運用なども可能ですが、その場合ユーザー参加型のキャンペーンにすることもできるので、自社のコスト事情やメリットを十分に比較検討してから行いましょう。

概ね下図のように分類されます。

図表_インスタグラムのアカウント運用型の向き不向き

向いている企業・ビジネス活用例)
ローソン ⇒小売り、PBも有り
北欧、暮らしの道具店 ⇒こだわりの生活雑貨のセレクトショップ
キヤノン ⇒カメラの使いこなし
全日空 ⇒観光地や風景などバリエーションや日々の変化も楽しめるもの

ユーザー参加型投稿キャンペーンは”投稿促進”の設計が最重要

twitterやfacebook同様の、ハッシュタグをつけて投稿を呼びかけるキャンペーンもポピュラーでスタンダードな方法となっています。
集まった画像をキャンペーンページで一覧させることもできたり、画像からは商品やサービスをどのように体験しているのか、リアルに伝わるので、独自の宣伝効果が期待できます。
一方、twitter、facebookと違って、キャンペーンフォームなどinstagram以外のページからインスタ投稿させることが出来ない点は気をつけてください。
これは「LINE@(無料で利用できるLINEのビジネスアカウント)」の友達登録においてハードルが高い(ユーザーが自主的に検索して登録する必要がある)と言われるのと同じで、ユーザーがinstagramアプリを開き、手動でキャンペーンタグを入力して投稿してもらう必要があり、ハードルは高いと言わざるを得ません。(2017年4月時点)

そのため、投稿キャンペーンではタレントの起用や店頭POPや商品ラベルなど徹底した告知導線でキャンペーン接触者を増やすこと、及びインセンティブを魅力的にすることで、母数と参加率を増やすキャンペーン設計が非常に重要です。こうした背景からも、基本的にはコストをかけられる企業に向いている施策となります。

ただしインスタはハッシュタグの検索利用が盛んなため、キャンペーンタグの他に、関連性の高い一般タグの投稿が一定数期待できると、それらの自然流入を通じて一定のキャンペーンの認知向上もみこまれます。
例)「#ポカリのまなきゃ」+「#ポカリスエット」「#水分補給」

概ね下図のように分類されます。


向いている企業・ビジネス活用例)
#ポカリのまなきゃ ⇒大手の定番の嗜好品、タレント起用
#ハンズのチョコ活 ⇒コアファン(お菓子づくり層)、季節イベント
#六本木ヒルズクリスマス ⇒著名な商業施設、季節イベント

インスタグラム広告は”外部リンク”付きネイティブ広告

instagram広告については、手順などの細かい仕様は別の機会にして、今回は概要の説明にとどめます。
○背景:facebook広告同様に低予算でも運用できる広告として2015年秋から運用がはじまり、少しずつ活用が広まっています。
○仕様:2017年4月時点ではログインユーザーのフィード(タイムライン)を対象に、動画や画像広告を投稿形式で掲載できるネイティブ広告に特化して用意。通常の投稿では開放されていない、外部リンクが設置できる点が魅力です。
※手続き上、現時点ではfacebookページが必要となります。(さらにinstagramアカウントがあれば、投稿者名が自社のinstaページにリンクされます)

あくまでも投稿の形を取ることから、趣味性やこだわりの高い商品、惹きつける画像などinstagramの投稿としても受け入れられるものがコンバージョンが期待できると言えそうです。

3.一般投稿を分析するインサイト抽出型の魅力

上で紹介したような販促活動にそのまま直結した活用ではなく、ユーザーの投稿推移や書かれている内容を確認して、自分たちの商品・サービスの反響や利用方法、受け取られかたを分析するのが「インサイト抽出型」です。
一次目的こそ販促ではありませんが、現状の分析をして、より的確なプロモーションや訴求ポイント、あるいはニーズのある商品を開発する目的でご相談をいただくことが多く、より本格的なプロモーションの投下や根本的問題解決につなげられるケースも多くみられます。商材に関連した”インスタ映え”する画像が発見されることもあり、活用イメージは多岐にわたります。

企業アカウントの開設やキャンペーンサイトが不要ですが、分析には一定の話題量が不可欠となります。
「画像の分析」についてご質問をいただくことも多いのですが、D4DRでは以下3点に着目しながら、目的に応じて細かな分類軸を都度設計させていただいています。

①画像内容(シーンや撮影対象)
②文章表現(出現語やハッシュタグ)
③利用者像(ファンの傾向)

例えば、「利用者像」の年代は、商材や目的に合わせて、「学生」と「社会人」を異なるセグメントに分類する場合と、20代以下を「若年世代」にまとめて捉えるケース等があり、また商材によっては、「料理」「外食」のような生活パターンの分類から、「健康志向」の有無などの嗜好性まで深堀りする、といったように目的の優先度と予算を考慮して、実際の投稿も確認ながら必要な分析設計・チューニングが行われます。

○イベントなどプロモーション活動を反省したい
○商品をアピールする新しい切り口を探したい
○競合と比較・差別化したい
○ニーズを考慮した新商品をつくりたい

といったご要望でご相談を受けることが非常に多いです。

リスニングの項目やインサイト例については、具体例があったほうが分かりやすいので、また別途専用のテーマを設けて具体的に解説したいと思います。

企業の向き・不向きは概ね下図のようになり、運用型よりも幅広い企業が有用に活用できると考えられます。

企業のソーシャルメディア活用は日々変化していますが、なかでもインスタグラム活用はデータの有用性やコンバージョンの高さから、ひとつの理想的な形ともいえそうです。皆さんの目の前の課題と最終的な目的はどこにあるか考えてみると、活用法は自然と見えてくるはずです。

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