セミナーレポート 「オムニチャネル時代のCRM実践セミナー」

2014年12月25日 | セミナー

「オムニチャネル時代のCRM実践セミナー」
~顧客の行動情報を活用した顧客育成最新トレンド~

2014年12月10日(水)に、D4DRとプラスアルファ・コンサルティング共催で、オムニチャネル時代のCRMをテーマにしたセミナーを開催いたしました。

チャネルの進化に伴い、企業発のマスメディア中心のコミュニケーションから、細分化されたチャネルで顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションを行う「オムニチャネル」化が加速しています。

一方で、「キーワードとして『オムニチャネル』という言葉や漠然としたイメージは知っているものの、具体的にどの様な取り組みを行えばよいのか分からない」という声も多く聞こえてきます。

本セミナーでは、
・今マーケティングに求められている「オムニチャネル」とは何か?
・具体的にどの様な取り組みを行えばよいか?
という声にお応えし、最新事例や戦略的な視点、取り組みの進め方の一端をご紹介いたしました。

(年末の多忙期でしたが、定員40名が満席となる盛況ぶり。みなさん、熱心に耳を傾け、あるいはメモを取っていらっしゃいました)

以下に、セミナーでの弊社講演の概略をご案内いたします。

第一部:「オムニチャネルの戦略と最新事例」

fujimoto

(講演:代表取締役社長 藤元 健太郎)

 

第一部では、国内外のオムニチャネルへの取り組みの最新事例、そしてオムニチャネル
の取り組みで欠かすことができない2つのポイントを紹介

最新の取組事例

1.加速するAmazon(アマゾン)
・モバイル・アプリ
ショールーミングを自社サイトでの購買に直結させる仕掛けとして、バーコードスキャンするとAmazon上の価格が調べられる
・Dynamic Pricing
競合サイトのプライス変動や消費者の購買タイミングに合わせて、リアルタイムに価格を変動
・Amazon Locker
商品の受け取り利便性を高める(オフラインでの接点確保)
・AmazonDash
スキャナーでバーコードを読み取ると、そのままオーダーができる
・Amazon elements
Amazonが独自に開発したオリジナル商品
・Kiva & Prime Air
物流センター向けソリューションを提供するKiva Systemsを買収。また、ドローンを使った配送サービス「Prime Air」構想を推進し、フルフィルメントでのオートメーション化を加速

2.オムニチャネルへの取り組み
・オムニチャネルとは
顧客の行動に合わせて最適な方法で、最適なコミュニケーションを行うこと。そのためには、チャネルの細分化に加えて、あらゆるデータを連携し、タイムリーに情報の提供を行う仕組み作りが求められる。
例えば、顧客の行動データや商品・在庫・物流の情報などの一元化が挙げられる。

・事例)在庫連携
自社サイト上で、商品在庫店舗や配送時のお届けタイミングの掲載(例:MARUZEN&JUNKUDO、ヨドバシ.com)
店舗に設置したタブレットから、オンライン上の品揃えを検索(Oh My Glass)
店舗は試着スペース、注文はECという組み合わせで、在庫管理を効率化(BONOBOS)
アプリ掲載商品の店舗での取り置き予約やECでの注文(パルコ)

・事例)その他国内での取り組み
WEAR(商品スキャン、コーディネートアプリ)/楽天Rポイント(来店チェックイン)/ストアコマース(店頭でのタブレット活用)/ウルトラ集客・クーポンゲート(O2O)/
スマホ決済/タブレットレジ 等

行動情報マーケティング

・ターゲティングアプローチの変化
性別や年齢などのデモグラフィックアプローチから、行動ベースのアプローチへの変化している。
行動ベースのアプローチには2つの軸がある。
1つ目は「行動した事実」:来店、閲覧、購買など
2つ目は「ペルソナ」:趣向、価値観、ライフスタイルなど

・行動データの連携
従来は別々に取り組んでいた集客とCRMは行動データで連携する時代
連携したデータをもとに一貫したコミュニケーションの実現へ

集客とCRMは一体化した管理へ

集客とCRMの一体化からLTVの向上へ

・経営指標の変化
経営サイドも、物販視点での指標(例:店舗の日販)から顧客視点での指標へと視点を変化させて
いくことが求められる

顧客視点での指標設定は、優良顧客の定義を明確にすることから始まる。基本的にはLTVが高い顧客が優良顧客であり、LTVを指標とする。一方で、自ら収益貢献をしてくれなくても他者の態度変容を促すインフルエンサーも優良顧客となり得る

・顧客の行動データ中心の取り組みを支える基盤
オムニチャネルでの最適なコミュニケーションの実現には、行動データを一元的に統合・分析し、アクションへとつなぐ一貫したプラットフォームが必要
近年では、プライベートDMPとして、従来顧客との直接コミュニケーションに縁遠かった事業会社でも取り組みを始めつつある

第三部:「CRMの実践フレームとカスタマーリングスの活用法」

(講演:シニアアナリスト 浅川 幹夫)

第三部では、オムニチャネル時代にCRMへ取り組むために、押さえておくべき3つの視点を紹介。
あるべき基本視点を踏まえて、第一歩を踏み出すためのポイントを提示。

スモールスタートでの取り組み事例

理想的なオムニチャネルへの取り組みを実現するには、体制構築、チャネル開発、プラットフォーム開発など全社規模での取り組みが必須であるが、現場からのボトムアップには判断材料が必要であり、また体制作りにも時間がかかる。

その中で、まずは現在の環境でできる事から第一歩を踏み出し、その実績をもとに社内関係者を巻き込んでいく、という進め方も一つの方法として検討される

実際の取り組み事例をもとに、スモールスタートのケースを紹介。

投資判断がなされていないものの、売上の要因分析の結果から、オムニチャネルへの取り組みの必要性を感じ、第一歩を踏み出すためにはどうしたらよいか。
事例では2つのポイントを挙げた。
・1つ目は「いきなり組織の壁を取り除こうとしない」
・2つ目は「既存のリソースを有効活用する」

3つの取り組み視点

 

オムニチャネルCRMの取り組みのポイント

オムニチャネルCRM 3つのポイント

 

1:ユーザシナリオ

ユーザシナリオの設定

オムニチャネル実現に向けたユーザーシナリオ

 

従来のシナリオ設計と異なる2つのポイントを押さえる
(1)自社チャネルに限定せず、顧客が利用する内外のチャネルすべてで行動を捉える
(2)獲得(初回購入)だけではなく、ロイヤル化までの行動プロセスを描く

行動プロセスを設定し、シーンごとでの顧客ニーズ仮説を立て、そのニーズを満たす事を目的とした施策を企画することで、最適なコミュニケーションが実現できる

2:行動データの活用
ユーザシナリオの設計、施策のプランニングにおいては行動データの活用を欠かすことはできない

 

顧客のタイプごとでシナリオ検討

オムニチャネルCRM実現へ、顧客タイプ別に行動情報を活用

 

例えば、チャネルの切り口では、購買チャネルがECと店舗のいずれを中心に利用しているか、メール等のオンラインの情報に接触しているかという行動の違いある。あるいは施策の切り口では、キャンペーンに反応するか、などの行動特性は顧客ごとで異なる。つまり、様々なタイプの顧客が存在し、シナリオも施策も複数のパターンが考えられ、ともすれば収拾つかない状態になりかねないいかにモデルケースを絞り込むかという検討が必要となるが、注目すべきは「優良顧客」の行動モデルにある。取り組みのゴールはいかに優良顧客を増やすか(=LTVを向上させるか)にあり、現在の優良顧客の行動データを棚卸しすることで、優良顧客化に向けたシナリオ設計の示唆を得ることができる

また、施策においても、単一チャネルの行動データに限定せず、顧客ごとにあらゆるチャネルの行動データを連携させることで、顧客にとって最適なタイミングで最適なコミュニケーションを実現することができる(1to1で一人ひとりにカスタマイズされた状態が理想ではあるが、既存リソースの活用を前提とする場合は、顧客セグメントを作成し、セグメント単位でアクションを変化させる方が運用しやすい)

3:行動データを有効活用する仕掛け・基盤
まずは、意味のある行動データの収集

一貫した行動データを用いたコミュニケーションを行うためには、意味のあるデータを多くの接点から収集する必要がある

最低限求められることは、顧客単位で行動データを連携できるようにデータを取得すること
情報の質を高めるためには、新規チャネル開発により顧客の行動を詳細に把握できる環境を作っていく事は有効。一方で、既存のチャネルにおいても工夫次第で従来のデータに付加価値を付けることができる。従来通り事象としてデータを取得しつつ、行動一つ一つに別の意味を付ける事で、今まで見えなかった事がみえるようになる
例)ユーザステータスの測定
カタログダウンロード=商品への関心
ラインナップ比較=購入検討

例)ユーザのニーズや志向性を把握
意味付けされた情報コンテンツの閲覧実績
意味付けされた商品の購入実績

次に、収集したデータを統合し、分析ならびにアクションまでの業務をシームレスに運用できるプラットフォームの構築
事前にルールが決定されていれば、あとは一連の業務を同一部門内(あるいは同一担当者)で運用できるようにしておくことで、タイムリーな施策展開→成果の検証→改善活動というサイクルをスムーズに回すことができる

このサイクルを回す上で忘れてはならない事が、短期的な施策改善に加えて、中・長期的な視点で方向性の見直しを行うこと
定期的に顧客の棚卸しをし、シナリオの見直し、基盤の改修・拡充の検討を行い、顧客の変化に対応する体制を維持していくことができる

 

PDCAサイクルの視点

オムニチャネルCRM実現に向けたPDCAサイクルの視点

 

最後に、取り組みの第一歩を踏み出すためには、現状を整理することから始める
整理する方法の一つにチェックリスト活用がある。項目ごとに未着手~進行中(課題有無)などステータス判定を行うことで、何ができているか/できていないかが明確になる
オムニチャネルの取り組みのチェックリストには、「顧客視点」の項目が盛り込まれている事が重要

例)KPI:成果指標に顧客視点(LTV)が盛り込まれているか
シナリオ:顧客のシナリオが描けているか
基盤:取得データをもとに顧客の行動分析を行っているか
運用:顧客の特性に合わせて、施策を変化させているか

そして、「今やらない事」を除外し、「やる事の優先順位」をつけ、スケジュールを作成していくことで、
具体的なオムニチャネルの取り組みを進める事ができる
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関連サービス
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